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『別れる?』
「は?」
いやだって、と平然と続ける大昇。
今日の晩御飯は煮込みハンバーグだった。めちゃくちゃ美味しかったから余った分は私がもらうことにしたら、『太るよ』だって。ひっど。
『やっぱさ、俺らっていい友達どまりっていうか…平野、先輩のこと忘れられないでしょ?』
『俺じゃ、ダメなんだよ。』
だから。と笑ってみせた。
「……うん」
一瞬顔を歪めたけど、すぐに元に戻せる大昇はすごく大人だし、
この期に及んでやっぱり素敵な人だなぁって思ってしまう。
「私、大昇と付き合えてほんっとによかった。これからも、仲良くしてくれる?」
『もちろん。あ、でも』
『浮所とうまくいって。平野が幸せになんないと俺の失恋報われねーもん』
「…うん、ありがと」
『よっしゃ、じゃあゲームでもしようぜい』
「え?なんで?」
ご飯食べてお皿洗って真剣に話してた雰囲気は何処へ。
『だって俺、こんな沈んだ空気のまま平野と過ごすの嫌だよ笑』
「真剣に話してただけじゃん!!!!」
『まあまあそうカリカリしなさんな!!ほら!俺今日実はスイッチ持ってきてんだよ!!』
「あー!!!それ私がしたかったやつ!!!天才!!!!!」
私たちの終わりは、私たちらしくて。
そのあと、『最後だし!!!』と珍しく泊まる宣言をした大昇と寝不足になるまで対戦した。
「ねぇもう寝たい…」
『だめだってボスキャラあともうちょっとでいけんだから!!!』
「……zzz」
『…人の気も知らずに寝顔晒すなバカ平野』
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年7月6日 0時