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『誤解、してますよね…?本当にごめんなさい!』
いやいやいやいや…え?
私、なんで頭下げられてるの…?
こうなったのは、約2分前…
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学食を友達と食べている時だった。
一瞬、ざわっとしたから何かと思って話を中断して周りを見渡すと――
『あ!平野さん!一瞬離せませんか?!』
「……へ、私?!」
神崎さんが息を切らしながら私を見てそういったのである。
そして、現在、大きな樹の下で…あ、涼しそうだったからなんだけど。
『どうぞ私をぶってください…本当に…すみません…』
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そうして今に至る。
「いや、あの…何を、でしょうか…」
『?!』
いやそんなびっくりされても。
デメキンかいうくらいに目ぇかっぴらいとんな神崎サン。
『私、望んで浮所さんと結婚するんじゃないんです…ていうか好きな人いるんです、片思いなんですけどね…』
「………えぇぇ?!」
『やっぱり誤解させてましたよね…』
「盛大に!!!ペヤング超×24大盛並みに神崎さんは先輩とデキてるもんだと思っていたんですけど…実は昨日、先輩からお話を伺いまして…」
『……えぇぇ?なんだぁ…』
なんでホッとしてるんでしょうか…
どうしよう、神崎さん、掴めない人だなぁ…
美人さんなのに見た目と反してほわほわしていらっしゃるというか。
『じゃあ、パーティーのこともお聞きになられましたか?』
「あ…あの無謀すぎる話ですか?」
『はい。私も止めた、というか、そもそも私がそれをするつもりだったんです。ですが、…傘下に入る側がそういったことを致しますと非常にまずいので浮所さんが…』
「……なるほど」
ということはつまり、あの無謀すぎる案は神崎さんのものってことか…
すごい意外!!!用意周到に外堀から埋めていきそうなタイプに見えるんだけど!!!
『浮所さんには平野さんがいらっしゃいますから彼が引き受けてくれたのですけれど…もしかして、もう好きじゃないとか?』
「え”っ」
『さっき会ったんです、彼に。明らかに落ち込んでて…珍しいなと。彼が落ち込んでいる姿を見たのは確か、平野さんと別れてすぐのころだけだったので』
うわぁ…申し訳ない…
先輩のこと、…好き、ってちゃんと考えて結論出せたんだけど…
大昇にも気持ちがあって、…私、こんな気持ち誰にも言えないよ…
「……」
2人が好き、なんて…
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年7月6日 0時