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「…うわぁ、我ながら可愛いわ、服が。衣装か。」
今日はハロウィン。
そして鏡に映るのは、超ミニのタイトスカートの警察官コスプレをした私。
なんでこうなったかって?お兄ちゃんですよ犯人は!!!
笑未がミニスカポリスじゃなくてメイド服を選んだから余ったこれをわざわざ家まで持ってきた。
『余ったからよかったら使って!!』って満面の笑みで。
大昇どんな反応するんだろ…不安だよ流石に!!!
別にこれ着てデートとかそういうわけじゃないし、家にいるだけだけど…
だから余計に心配!!
なんで部屋着じゃないの?で終わりそう!!
それか大昇がカーネルサ○ダーの恰好してくるとか?これもあり得そうだな。
想像できるところが怖い。
『平野〜』
「大昇!お帰り!」
『……え、何、え?』
付属の手錠をもってバタバタと玄関まで出迎えに行くと、普通に私服の大昇が驚いていた。
「カーネルじゃないじゃん」
『は?え?カーネル??え、何それ警察?』
「今日ハロウィンだよ」
『知ってるけど……ちょっと待って、びっくりしすぎて脳が追い付いてないわ』
確かに、スーパーのビニール袋から透けて見えるのは明らかにかぼちゃだった。
今日はかぼちゃ料理ってことですね、やったぁ!
『それいつ着替えるの?』
「えー感想聞かせてよ、それから着替える」
感想か…ってガシガシ頭をかいて全然目を合わせてくれない。
「なーにー、可愛すぎて困ってる?」
『うん』
「そこは答えるんだね!?」
『可愛いマジで』
「恥ずかしぬから着替えてきますわ…」
覗き込んで聞いたら真顔で『可愛い』はちょっとかなりだいぶ恥ずかしいよね!!!!
だって私ラストティーンなのにこんな格好しちゃってさ!!!
足早に自分の部屋に着替えに行こうとしたら聞こえたのは、カシャン、という音だった。
ん?
「…おっと」
『逮捕されにいった』
「何してんの?!え、まって鍵!!鍵どこ?!!!!着替えれない!!!」
『ここ』
手錠がかかっていない方の手の中に納まっている鍵。
安っぽそうな光り方してんなぁ…
「え、なにしてるの?」
『一日それで過ごしてよ』
「…ハイ??」
『平野のこと好きにさせといて俺のことは好きじゃない罪で逮捕ね?』
くいっと大昇が腕を引くと同時に私も腕が引かれて、気づけば抱きしめられていた。
「…好きになってるよ、もう」
『…可愛すぎる罪追加ね』
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年7月6日 0時