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『えぇぇぇえ?!大昇と付き合ったーーー?!!!』
「はい」
エアちゃぶ台ひっくり返しをしているのは私の親友で兄の彼女の笑未だ。
なにしてんのマジで。原因は私だけど!!
『先輩は?』
「結婚を前提にお付き合いしてるんだって。泣ける〜」
『意味わかんないんだけど…』
「そのまんま。しかも私と名前同じの!こんなに悲しいことある?!ないよ!!」
えぇ…と流石に笑未も引いてるみたいだった。私にじゃないよね?
『でも良かったじゃん、大昇だったら将来安定だよ?料理もできる、多分公務員、顔もいい、身長も高い、優しい、…ギャグは滑るけど。非の打ちどころなさすぎだよ』
「ね〜、ほんとにそう思う。好きになりたいんだ、本気で」
目が合うと、そっか、って微笑んでくれた。
心のどこかで、“最低!人の気持ち考えなさいよ!!”って罵られるかと思ってたから少しホッとした。
笑未がそんなこと言うわけないんですけどね…
『Aが本気で大昇に恋できたらいいね…ていうか、してあげて。大昇もA並みに一途だから』
「うん、いい報告できるようにするね!」
これできっと、もう二度と、私と先輩の人生が交わることはないだろう。
ねじれの位置、みたいな?
飛貴先輩…いや、浮所先輩。
もう、先輩のこと、思い出にしちゃいますね。
きっと、まだ時間は必要だけど…。
だからせめて、先輩も。
私と恋したこと、忘れないで下さい―――――
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年7月6日 0時