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出てきたプリを半分こして、私はいつものようにスマホケースに入れた。
ここだとなくさないし、いつもここに入れちゃう。
『これってそこに入れるもん?』
「え?あ、私はそうしてます」
そうなんだ、と私と同じようにした先輩。
「ちょっと待ってください、それ私やられます」
『え?』
「浮所先輩のファンに私絞められます」
『あぁ、そういうことね!大丈夫でしょ。なんかあったら俺が守るし』
「……無理好き」
今日はお昼ご飯を外に食べ行くってお母さんに言われてるから、
そろそろ、と声を掛けた。
『じゃあ送る』
「いつもありがとうございます」
満員電車の中でつり革を持つ。
こういう時壁ドンみたいなので人がぶつからないようにされるみたいなシーン少女漫画で見たことあるけど、あれ、実際にしてるカップルいたらすごい迷惑だよね
スペースとりすぎ!ってなる、実際に1回だけ見たことあるけど
『今日は早く寝といたほうがいいかも』
「え?明日朝早かったですか?あ、そういえば何時とか聞いてましたっけ?」
『言ってなかった!なんかバレそうで笑 明日は7時に迎えに来るから、頑張って準備してね』
「わかりました!じゃあ、また明日!」
『待って待って、これ!』
先輩がずっと持っていたショッパー。
はい、と私の手に握らせる。
『これは明後日着てきて!明日の分はもう決めてるでしょ?』
「え、これ私にですか?妹さんとかお姉さんとかではなく?」
『そうだけど…試着させたでしょ?」
「そういうことだったんですね…ありがとうございます!」
『どういたしまして。じゃあまた明日ね』
家に入るとお母さんから早く準備してね、と言われて適当に返事をして2階にあがる。
自分の部屋に飛び込んで、そのままベッドにダイブ。
貰ったショッパーを抱きしめる。だって、私のために選んでくれたってことだもん。
しかもこのワンピース、すっごく好みだったし、それを先輩からもらえるなんて。
「夢みたい…」
『夢じゃないから早く準備してよ、俺お腹空いた』
「うわっ、お兄ちゃん!ごめんごめん」
ドアを開けっぱなしだったから、ひょいと顔を覗かせたお兄ちゃんがいなくなってからドアを閉めた。
今日のプリクラを確認しようと思ってスマホを取り出すと、大昇から連絡がきている
明後日空いてる?って、多分お祝いしてくれるんだろうな
ごめん、空いてない!と返信して急いで着替えた。
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年4月2日 22時