Want you! Want you! 【浮所飛貴】 (ページ19)

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試着室から出てきた先輩はやっぱりかっこよかった。
もうほんとに幸せです私、この服着た先輩を世界で一番に見れるんなんて！！

褒めちぎったら…いやまあ、私としては事実を述べただけなんだけど！！そのままお会計に向かっていた。もうこんなの私が先輩の服選んだようなものでしょ。もう私昇天しよ。

『ごめん、思ってたより時間かかってた』

「いえ！私今にも昇天しようって思ってるくらい幸せに満ちているので寧ろありがとうございました！」

『んーー…？ありがとう(笑)次、平野が行きたいとこ行こう！どこかある？』

「特にないですね！」

『即答かい(笑)』

「ただ先輩とお出かけできればいいなって思ってただけなので、目標達成しました！」

『そういうことか～…じゃあ帰ろうか』

「はい」

もう手を繋がれることはなかったけど(物理的に先輩の手が塞がってた)十分すぎるくらい先輩のことを堪能できたから勝手にニマニマしちゃう。気持ち悪いのはわかってるけど！

電車に乗って、私の最寄り駅に着いたから挨拶をしたら、送るよって！！彼氏ですか？付き合ってました私たち？一周回って結婚してます？

『絶対今変なこと考えてるでしょ』

「いえ断じて！！先輩との未来を想像してました！」

『だからそれが変なことなんだって(笑)…いつも思うんだけどさぁ、俺の何がそんなにいいの？』

「すべてですね！」

『全く答えになってないやつな』

少し呆れた顔でそう言われた。なんで呆れられてるんでしょうか？事実なんですが！！先輩のすべてが好きなんですよ私は！！

『なんかもっとあるじゃん、笑顔が好きーとかやさしーとか』

「そうですねぇ…纏めると先輩は私の命の恩人なんですけど。優しいところも、いつもニコニコなのも、結構真面目なのも、元々ポテンシャルが高いのに甘んじることなく努力し続けるところも。…先輩、照れてます？まだあるんですけど…」

『そんだけ言われるとは思ってないから俺も！！ていうか命の恩人って何！』

今日3度目の照れ頂きましたね、美味しいですほんと。(謎)

やっぱり先輩、私だったの気づいてないのかな。

「聞きたいですか？私が先輩と初めて会った日…というより見た日のこと」

まだ夜ご飯には早い時間ですし、先輩が良ければ公園あるのでそこで話しますよ、と聞いたらそうする、と言われたからそのまま家を越して公園に向かった。