第2話 少女、孫に会いに行く ページ4
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平和な世の中…平成の世__
月が光り輝く夜にカランコロンと涼し気な音が鳴り響く…
カランコロン…
スっ
下駄を鳴らすのを止め目の前の大きな扉を見上げ見つめる少女がぽつりと呟く。
.
.
凛桜『__こんな感じだったか…この屋敷は』
はて、と軽く首を傾げる。
数百年前はもっと小さい普通の日本屋敷だったはず…
子どもの姿ではあるが明らかに元の姿でも到底届かないほどの大きな扉、もとい入口。
子どもの姿だからなおさら見上げる形になっている。
凛桜『…俺の屋敷がこんなにでかいわけが無い』
某漫画のタイトルみたいな感じになってしまったがそんなことはどーでもいい。
とりあえず首が痛い。
いったん見上げるのを止めるか。
凛桜(…俺の屋敷を勝手に作り替えおって…あのクソガキめ)
元はと言えばここは俺の屋敷だぞ。
あとで金をせびりに来てやる。そう思いながらとりあえず中に入ることにした。
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______
ガヤガヤ…
塀の上を軽く飛び越えスタッと中庭に降りるとわいわいと賑やかな声が聞こえてきた。
A『…宴会でもしてるのか?』
まァどーでもいいが。
しかし、部外者が敷地内にいるというのに誰も気づきやしないとは何事だ。
とはいえ、畏れを使ってるから気づかないのは当たり前なのだが…
A『アイツも気づかないとは…まだまだクソガキじゃな』
後で説教でもしてやるかと考えていると、ふと、1人の少年が1本の桜の木の下にいることに気づく。
おっと?
あのシルエットは…
A『ぬらりひょん…?』
あいつと同じ容姿に一瞬固まる。
いや、だが微妙にこの妖気はアイツのではない。
鯉坊にも似ているがどちらかと言えばアイツのものに似ている。
……なるほど。
あれが孫、か。
A『どんな奴か挨拶してやるか』
そう呟き俺はゆっくりと孫に近づいた。
(それにしても本当に誰も気づかないとは)
(畏れのせいじゃなくて俺、影が薄いのか…??)
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ヒエ(プロフ) - 続きを下さい! (2022年8月7日 19時) (レス) @page14 id: b7b4b6a723 (このIDを非表示/違反報告)
ラキア - 面白かったです!!続きはないんですか?? (2022年3月4日 21時) (レス) @page14 id: 419133df1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕月 | 作成日時:2020年11月11日 0時