第1話 少女、動き出す ページ3
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カランコロン…
カランコロン…
月が光り輝く夜に涼し気な音が響く…
おんぎゃぁ!!!
おんぎゃぁ!!!
凛桜『…なんだおまえ、1人なのか』
月明かりが指す1本の桜の木の下で、
凛桜『…俺と来るか?』
その日、彼と出会う。
今思えばこの出会いが俺の始まりだったのかもしれない。
『…ワシと夫婦になってくれねぇか』
1度目は関係が崩れるのが怖くて彼を遠ざけた。
『…それでもオレはあんたが好きなんだ』
2度目は彼の幸せを願い彼から逃げた。
…___そしてあれから随分と時がたった。
あなた達は今どこで何をしているのだろうか。
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凛桜『っ……随分と懐かしい夢を見たな』
片手で顔を覆いながらゆっくりと起き上がる。
久々に彼らが夢に出てきたと思う。
この俺に同じことを言うとは本当にバカな似たもの同士だよ、まったく。
くくっと笑みをこぼし、外で光り輝く月を見やる。
平成の世。
もうあの頃とは違う。
凛桜『…そろそろ動いてもいい頃合いか』
あの時思わず彼らを失うのが怖くて逃げてしまった。
いや、
俺自身が傷つきたくなくて逃げた。
自分で遠ざけると決めたくせに、関わらないと思っていたくせに、
彼らが死にそうになったとき思わず身体が動いてしまった。
だが後悔はしていないのは確かだった。
凛桜『…今度こそ俺はもう逃げずに最後まで見届けたい』
バレないようにガキどもを見守るとするか。
そう心の中で呟きながらゆっくりとその場から動き出す。
凛桜『…そーいやァ、アレに孫がいるっつってたな』
たしか、がっこう?とかいう学び舎に通っているとかなんとか風の噂で聞いたな。
凛桜『おもしろそーじゃな、行ってみるか』ニヤリ
そーなると、この姿では無理がある…
凛桜『童の姿で行くか。』
あー、とりあえず本家が先じゃな。
そう呟き、羽織りと愛刀を持って外へ出た。
(孫か…アレを拾ってからそんな年月が過ぎたんだな)
(という事は、俺はもうババアか…?)
(なんか悲しくなってきたな…)
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ヒエ(プロフ) - 続きを下さい! (2022年8月7日 19時) (レス) @page14 id: b7b4b6a723 (このIDを非表示/違反報告)
ラキア - 面白かったです!!続きはないんですか?? (2022年3月4日 21時) (レス) @page14 id: 419133df1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕月 | 作成日時:2020年11月11日 0時