21 甘ったるい ページ21
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ドライヤーのスイッチを入れてグクの髪にゆっくりと指を通す。
見た目からはあまり分からないけど、大学の時は金髪にしてたこともあってか触ってみたら少しだけ痛んでいた。
社会人になって黒髪に戻したけれど、やっぱりグクは黒髪が一番似合うと思う。
JK「〜いいな」
「え?なに?!」
ドライヤーの音でグクの声が聞こえなくて聞き返す。
JK「やっぱヌナに髪乾かしてもらうのが一番気持ちいいな、って!」
さっきより大きな声でゆっくりとそう告げたグク。
嬉しい気持ちと同時に誰と比べてるんだろうって悲しくもなった。
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少しして短い髪はすぐに乾かし終えてしまって、ドライヤーの電源を切って机に置く。
「はい、終わったよ」
ご飯も食べて、お風呂もはいって。
もう私たちに残されていることはたった一つ。
そう思うと心臓は突然鼓動を早めた。
JK「ありがと」
私が乾かした髪にグクも一度指を通して。
そしてゆっくりと地べたから立ち上がると、すぐにソファの私の隣に腰を下ろした。
ただ隣に座ることにこんなにも心臓が跳ねるとは思わなかった。
「…あの、近くない?」
JK「え?そう?」
「いや、近いよ」
どう考えても距離感がおかしい。
だってソファはこんなにも広いのに、グクは互いの肩が密着するぐらい近くに腰を下ろした。
JK「いいじゃん、別に」
そしてなんでもないようにそう言ってのける。
確かに近くに座ったぐらいで何を今更騒いでいるのかと自分でも思い、私が何にも言い返せないでいると。
突然肩に触れた温もり。
首筋に触れた硬質な髪。
「…重い」
JK「ふふ」
グクは全体重を預けるようにして私の肩にもたれかかった。
あまりにもうるさい心臓の鼓動がグクにバレてしまうのが恥ずかしくてそんなことしか言えない私にグクはただ優しく笑った。
その笑い方すらもなんだか甘ったるくて、苦い。
グクの肩に触れた自分の右肩も、グクの硬い髪がさらさら触れる首筋も、全部が熱くて、苦しい。
グクがもぞもぞと体勢を整えるために動くだけでも、なんだかいてもたってもいられなくなる。
グクはその間何にも言葉を発しないから、余計私は心臓がドキドキして。
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ナノカ(プロフ) - ひーちゃんさん» やーんありがとうございます!!ぜひまた続き見てくださったら嬉しいです(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 紫雫さん» うわんありがとうございます!続き公開したのでよかったらまた最後までお付き合い願います(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんいつもありがとうございます!焦らされてるグク可哀想で可愛いんですよね…いじめたくなるタイプだな…また最後までぜひお付き合い願います(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - mgnさん» mgnシこんばんは!うれしいたのしい大好き何回見返してもほんとくすくすきて大好きです!!!早くゴムつけっぱジョングクを救ってあげますね…いつもありがとうございます。大好きです。 (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - さらさん» さらさん〜!伝わってよかったです!そうなんですよ…こんな言葉足らずでヌナは色々考えて傷付くにきまってるんですよ( ; ; )ジョングク〜!早く好きっていって!こちらこそありがとうございます。頑張りますね(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナノカ | 作成日時:2020年7月19日 20時