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126.部屋に表れる心情 -よじゃ- ページ29

ユニ「オンニ…散らかり過ぎじゃないですか…」

部屋へ一歩を踏み入れて、目の前の惨事を見たユニが呆れたように嘆く。

「だから言ったでしょ、汚いって」

ユニ「想像以上です。ジホ宅化一歩手間ですよ、これ…女子の部屋じゃないです」


部屋の隅に積まれた雑誌は雪崩を起こして半壊していた。
今朝着ていく服を選んだ時に選考漏れしたジャケットとタイツは、テーブルの上に無残に放り投げられている。

気持ちに余裕が無いと、部屋が荒れるのはいつものことで。
忙しいとついおざなりにしがちな整頓も、いつもならここまで酷くはならない。

改めて見ると確かにその荒れ具合に、言い返すことも出来ずに苦笑いが漏れる。

たった数日だったはずなのに、こんなにも周りが見えなくなっている自分に。


ユニ「片付けますよー」


ぼんやり部屋を眺めていた私の横を、ユニが通り過ぎて行って、手近なところからてきぱきと片付けを始める。
その背中に慌てて自分も動き出す。


ユニ「あ、この服!!展示会の時にあのプレスの人が来てたヤツですか?!」

「え?…あ、そう、知り合いから譲ってもらって」

ユニ「いいなぁ〜!私、これの赤が欲しかったんですけど、全然手に入らなくて」


同じスタイリストとして働く身、ユニにとってはこの家の片付けは、我が家のクローゼットを覗くように楽しくて仕方の無い様子。
あっちこっちから掘り出し物を見つけては、それを手にしてはしゃいでいた。

多分、そうやって、空気が沈み込むことないように気遣ってくれている、それもとてもありがたい。
なんとなく切り出しにくい本題も、ここまで時間を与えてくれれば、上手く、言葉にすることが出来るような気がして。


ひと通り部屋が片付くと、デパートで買い込んだ話題のDeliを囲んで、なんとなく世間話を交わしていた。

会話の途切れた、その隙間に、意を決して、切り出した。
多分、ユニからは口にしないから。


「ねぇ、ユニはさ、初めてリョウクさんが好きだなぁって思ったのって、いつ?」

ユニ「…なんですか、いきなり」

「ん、なんとなく。聞いたこと無かったかなって、ユニがリョウクさんに落ちたきっかけ、何?」

ユニ「落ちたって…そんないきなり聞かれても、思い出せないし、恥ずかしいんですけど!」

「いいでしょー、教えて?」


顔を赤らめるユニは可愛かった。
リョウクのことを話す彼女は、いつも幸せそうな顔をする。

恋愛っていいな、って思わせるほどに。

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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

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