検索窓
今日:6 hit、昨日:25 hit、合計:114,716 hit

98.みどりいろ(DH) -ちづ- ページ1

(DH)


明日に迫った出張を気にして、
仕事中も、空いた時間にこっそりヒョクチェに話しかける。


DH「行先を言ったとき、もっとこう、嫌そうにされるかと思ったけど。
そうでもなかった。」

EH「そ?」

DH「ん。」

EH「そっか、まあ実家に行ける時間があるとも思わないよな、普通。」

DH「ああ、そうかも。でもさ、うまく言えないんだけどさ。」

EH「?」

DH「昨日かな、今日、かな?
なんかヌナのあの、変な無理感がなくなってた。」

EH「え、そう?」

DH「うん、なんか。そんな気がする。僕の気のせいかもだけど。」

EH「…いや、お前がそう言うなら、そうなんだろ。」

DH「何か、あったのかな。」

EH「さあ…。」


Aが纏う、空気の色が。
いつもより明るかったように感じた。

僕に向けられた笑顔も。
ほかの人に向けられた視線も。

いつもより、なんだかうれしそうに見えた。






なにかいいことがあったの?

って。



なんか、聞けなかった。



うれしいことなんだけど。
寂しいような、変な気分で。


僕だけがわかる、Aの影が。
また一つ、なくなったように思う。


惜しいような気がするのは、
『僕だけがわかる』と思うせいで。

それ自体、僕の気のせいかもしれないし、
本当は何もないのかもしれない。






夕方、窓の外を眺めるAを見かけた。


DH「ヌーナっ♪」

「あ、お疲れ様です。今日はこれで終わりですね。」

DH「うん。明日の準備しなきゃ。」

「ほんとですね。」

DH「何見てたの?」

「何も。葉っぱの色って、こんな色だったかなぁって。」

DH「緑色?(笑)」

「緑ですね。(笑)」


くすくす、おかしそうに笑う。

外にある、葉っぱの緑が緑色で、
何がおかしいんだろう。


DH「??」


でも、ヌナが楽しそうでうれしい。


「ドンヘさん、」

DH「ん?」

「出張の行先、私の地元の近くでしょう?」

DH「あ、うん。」

「だから私なんですか?」

DH「え、あ、う。…うん。その、でも。ヌナと一緒に行きたかったから!」


なんか、
ダメですよ、とか言われそう、と思って。
どぎまぎすると、ヌナはそんな様子の僕を見て。


「ふふ(笑)…ありがとうございます。優しいですね。」


にっこりと、笑った。


DH「!」


どきどきする。


DH「ヌナ、」

「はい?」

DH「笑ってる顔、かわいい。」


ヌナは、からかわないでください、と言ったけど、まだ笑顔で。
僕はもう、何も言えずにその顔を見つめた。

99.浮かれ気分で(DH) -よじゃ-→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (237 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
282人がお気に入り
設定タグ:superjunior , ヌナ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。