イェウクと旅しよ、ぽかぽかと(11/16) ページ18
「ジョンウンの言ってること、難しいなぁ」
「どこがだ」
「私、もしかして、間違ってる?ズルいって思うことが、逃げてるってこと?」
しばらく考え込んだイェソンは、やっぱりさっきと同じように、よく分からん、と答えを投げるから、笑ってしまった。
なんだか悩んでることがバカらしくなるくらい、彼と話すと、気が抜けてしまって。
理詰めで諭されるより、ずっと気持ちは軽くなる気がした。
「ジョンウン、意外と恋愛相談、向いてるかも」
「そうか?」
「よく言うでしょ?悩みって聞いて貰えるだけで、答えが無くても、気持ちが晴れるって。そんな感じかな」
「褒めてないだろ…」
「いいの、いいのー、それがジョンウンの味なんだから。自信持って!」
「なんで悩んでる相手に、励まされるんだよ。逆じゃないか?」
まぁ、いいけどって。
やっぱり、どこまでも暢気な彼は、小さく笑う。
「結局、人間、いろんな無駄なもんくっつけて、尖ったりぶつかったりしながら生きてるけどさ、
大切なのは、愛だ、愛。
愛は世界も救うし、結果的に、自分も救われるもんだ。
だからAだって、誰かを幸せにしたいって思うなら、まずは自分を幸せにすればいいんだ」
最後にそんなもっともらしいことを言ってみせて、私を驚かせたりするけれど、
そんなところもジョンウンらしいなって思う。
満足気に笑う彼は、見ているだけでほっとするような気持ちになるから、やっぱり不思議だけれど、その深さは憧れてしまう。
「自分の幸せかぁ」
「そうだ、悩むより、泣くより、まず笑うことだ」
「ふふ、ジョンウンのセルカはいつもいい笑顔だもんね」
「悲しい顔なんか見せたって、意味ないだろ?」
「…ほんと、その通り…」
ここ最近はずっと薄曇りのような心情で、お腹が痛くなるくらい笑ったのって、随分前のように思う。
笑いたかった。
たくさん。
そうやって自分が笑える場所を考えたら、
まっさきに浮かぶその場所は、きっと自分にとって大切な場所だから。
手放すより、守る方法を考えようって思った。
あんなに怖気づいてたのに、今は早く会いたいなんて、自分だって十分単純だなって。
笑みの溢れる私に向かって、イェソンがおもむろにシャッターを切った。
「いい笑顔だ」
「…ありがと、ジョンウン」
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ちづ(プロフ) - くみょくさん» こんばんは、ありがとうございます〜♪・・ですよね!!私もドンちゃんなら襲われちゃって手に入れたいです(←何の話ww)楽しんでいただけてうれしいです♪ (2014年3月7日 23時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
くみょく(プロフ) - うわー(T_T)襲われてそれダシにしたいーww 久々素敵ドンへに会えました♪ちづさんありがとうごさいます^o^!! (2014年3月6日 0時) (レス) id: c316030326 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - ミツさん» こんばんは、ありがとうございます〜♪やっとアップできました〜(泣)うれしい、ミツさんに愛されちゃったww (2014年3月6日 0時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - 凛々さん» こんばんは、早速ありがとうございます〜!今回は悩みに悩んでこのドンヘです(笑)楽しんでいただけてうれしいです♪♪ (2014年3月6日 0時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - あ~!しあわせです!あぁ、最高です。ちづさん、あいしてます!! (2014年3月5日 23時) (レス) id: 611205b7a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/
作成日時:2013年6月4日 23時