イェウクと旅しよ、ぽかぽかと(5/16) ページ12
立ち寄った、射撃の出来るアトラクションで、夢中でターゲットを狙うリョウクから隠れるように、イェソンが耳打ちする。
「A、今夜大丈夫か?」
「え、あ、うん」
潜めた声が耳にくすぐったい。
「リョウクには見つからないように行くから」
「大丈夫なの?」
「俺の演技はハリウッド級だろ?」
「知らないけど…とにかく無理そうなら連絡して、あ、リョウク、すごい!」
「ねぇ今の見た?!鍵に1発で当たったの、すごくない?」
「ちょっと、俺も」
リョウクの持っていた銃を、なかば奪い取るように射撃のカウンターへと向かうイェソンは、構えだって前のめり。
その目は既に真剣で、鋭い視線をターゲットに送っている。
調子よくヒットしては笑みを深くして、なかなか当たらないターゲットには言い掛かりのような文句を代わりにぶつけるから。
韓国語なんてわからないはずのキャストも、その熱中振りに苦笑いしていた。
結局1日、雨が上がることなく。
「もうランドは十分楽しんだし、せっかくだからシーにも行こうよ!」
唐突な提案だって、キラキラと目を輝かせるリョウクに、甘えるようにお願いされたら、イェソンがノーなんて言えるはずもない。
仕方ないなって、渋々承諾する振りをしていたって、顔は十分嬉しそうだった。
移動した2つ目のパークで、リョウクが真っ先に向かったのは、てっぺんまで上ればパークが一望できる人気のアトラクション。
「うわぁ!高いねー」
って傘越しに見上げては歓声を上げるリョウクの隣で、高いところが苦手なイェソンからは完全に笑みが消えていた。
もちろん、俺はここで待つ、と建物に入る前から拒絶を試みるけれど、
「大丈夫、大丈夫ー。そんなに怖くないって、誰かが言ってた」
まるで真実味のない適当な慰めを返しては、リョウクが強引にその腕を引っ張っていく。
「ちょっ、リョウガ」
「ジョンウンもハリウッド級ならこういうとこでも演じられなきゃねー」
「いや、それは…」
「もう、ほんと、早くして、置いてくよ!」
「きっと楽しいって!」
左腕をリョウク、右腕を私に抱えられて、グイグイと引っ張られていくイェソンは、完全に腰が引けていた。
それでも、上っていくまでは、案外平気だなんて強がっていたのに、てっぺんまで来て突然広がった景色を見た瞬間
「…っ!」
息を飲んだイェソンに、縋りつくように掴まれた腕は、とても強くて、痛かった。
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ちづ(プロフ) - くみょくさん» こんばんは、ありがとうございます〜♪・・ですよね!!私もドンちゃんなら襲われちゃって手に入れたいです(←何の話ww)楽しんでいただけてうれしいです♪ (2014年3月7日 23時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
くみょく(プロフ) - うわー(T_T)襲われてそれダシにしたいーww 久々素敵ドンへに会えました♪ちづさんありがとうごさいます^o^!! (2014年3月6日 0時) (レス) id: c316030326 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - ミツさん» こんばんは、ありがとうございます〜♪やっとアップできました〜(泣)うれしい、ミツさんに愛されちゃったww (2014年3月6日 0時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - 凛々さん» こんばんは、早速ありがとうございます〜!今回は悩みに悩んでこのドンヘです(笑)楽しんでいただけてうれしいです♪♪ (2014年3月6日 0時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - あ~!しあわせです!あぁ、最高です。ちづさん、あいしてます!! (2014年3月5日 23時) (レス) id: 611205b7a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/
作成日時:2013年6月4日 23時