ちづとよじゃのヌナ短編【05】-SJ-

恋する男子(1/6) ページ2

今日は彼女に会える。


いつもはこっそりと、見つめるだけの彼女に、
今日こそは話しかけようか・・？



「おはようございます。」

DH「やー、おはよう！今日もかわいいね！」

EH「やー、A！またきれいになったんじゃね？」

KH「・・ぅございます・・。」(←)



僕の一大決心は、こうして毎回邪魔される。(←)



蚊の鳴くような声で。
こそっと挨拶に紛れ込み。

僕とヌナの会話は今日も成立しないままだ。



・・でもこの場からは離れないし！

いつかウネヒョンがどっかいっちゃって僕と二人きりになるかもしれないし！
その時がチャンスかもしれないし！


・・と思ってるうちに、ほかのヒョンたちにも囲まれ、
そのうちまた別のところにあいさつに行っちゃうんだけど。
毎回そうなんだけど。


集団の中にこそっと紛れ込むのは得意だ。(←)


いつか僕の存在に気付くかもしれないんだから、
その日のために準備してるんだ。
そうだ、そうだ。


2つ年上のAヌナは、みんなの人気者で。
グループの中にいると、・・どっちかっていうと、僕は影が薄いから。(←)


同じ場所にいても、会話という会話をしたことがない。


・・あ、

今。

目が合った？



・・♪ (←)


いいんだ、それだけでも。
ヌナは心ひそかに憧れてる人で。


会えると思っただけで、
ちょっと気分が上がる。


いいんだ、それで。



SM「や、A。」


「ソンミンオッパ、おはようございます♪」


SM「今日はよろしくね。」



今日はテレビの収録で。
なんと、ヌナも一緒に出演する。

2か月も前から楽しみにしてたスケジュールだ。(←)


同じ事務所なのに、
女優業がメインのヌナとは一緒になることがほとんどなくて。


足しげく事務所に通っては、
偶然を期待するけれど、
あまり事務所で会ったことはない。


テレビ局ですれ違うほうが確率は高いぐらいで。
ヒョンたちはどうやってそんなにヌナと仲良くなったんだろう。(←)


ウニョクヒョンはバラエティで、
ドンヘヒョンはドラマで、
ソンミニヒョンは、なんか知らないけど特技(←)で。



ヌナ、

・・僕の出演するミュージカルに出てください。
・・それかラジオスターに来てください。



・・なんてことを言う機会もない・・。



そんな僕の、密かな密かな恋。





・・うん、まあ。

いいんだよ、別に。


忙しいし。

なんか、恋愛とか、大変だし。



心の中で繰り返す、
淡い期待と、言い訳。



それが僕のスタンダードだ。(←)

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