夏の余韻（1/3） ページ10
強く吹いた夜風が、頬と首筋を撫でていく。
髪がふわりと舞って、視界を隠そうとするのを、手に取りそっと耳にかけると、隣で話し続ける彼の声が、少しだけ大きく響いてくる気がした。
「すごく幸せなことだと思ったよ。ああいう場にいられる自分が誇らしくて、でもすべてが僕の力だけじゃないんだってこと」
大きなステージを終えたばかりの彼が熱心に語る言葉は、強さと情熱に溢れていて、そんな言葉を聞くのも、今日が決して初めてというわけではない。
いつでも感謝し、懸命に前に進む姿は、頼もしく、それでいて、いじらしくもある。
「ねぇ、A」
ぼんやりと相槌をうつ私をチラリと見やって、彼が、目に前に広がる水面に視線を落とす。
「なんかあった？」
そう尋ねながら、また真っ直ぐな視線を向けられれば、その強さに、見透かされそうな胸のうちを隠すように視線をそらす。
「なんにも、ないよ？」
言いながら浸した足で水面を蹴って、パシャっと飛沫を上げた。
-
「この夏は海にもプールにも行けなかったなー」
そんな私の小さな後悔を、自分では忘れてしまっていたほどの些細な言葉を、優しい彼は覚えていて、食事の席として用意されていたのが、小さなプールの付いたテラス席だった。
泳げるという程の広さではない、空間演出としてインテリア的に誂えられたプールは、それでも、私の心を弾ませるには十分で。
この夜空の下、わずかに残された終わりかけの夏の余韻を、贅沢に味わう時間をくれた彼に、ありがとう、と、頬を緩めた。
食事をして、彼に誘われるがまま、そのプールの縁に並んで座る。
ズボンの裾を捲り上げた彼が、水面に足を浸す。
「ぬるい」
と苦笑いした彼に倣って、同じように足先を水に沈めれば、
「ぬるいね」
同じ感想が漏れて、でしょ？と笑い合った。
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井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» お待たせしましたー！ひょくさん、ご堪能ください！ (2012年10月9日 16時) (
レス) id: de950f8c67 (このIDを非表示/違反報告)
よしみ(プロフ) - 井上よじゃさん» きゃー(//∀//)！！ 本当ですか？！ 楽しみすぎて眠れないっ(*´Д｀*) 待ってます^^☆ (2012年10月9日 0時) (携帯から) (レス) id: a091a96abc (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» ふふ、間もなく（多分明日）出ます。ちづさんとはだいぶ雰囲気違うヒョクチェさんのため不安がいっぱいです（苦笑） (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - ひかり♪さん» みんくんに手の平でゴロンゴロンと転がされたいですｗ楽しんでいただけて私も嬉しいです！にゃあｗ (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - よしみさん» ウニョクの長編・・絶対無理です・・(汗)兄さん、ヒニム、ウニョクは短編でも敬遠したい感じなのに・・(汗)でもおさかなのヒョクちゃんは私もお気に入りで、そう言っていただけてほんとにうれしいです＾＾ありがとうございます♪ (2012年10月8日 23時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちづ・よじゃ
| 作成日時：2012年9月12日 16時
