男の子の、事情(3/6) ページ45
「じゃあ、これね」
頭の猫耳を、そっと目の前の彼女の頭に付ければ、予想以上の可愛らしさに驚いて、
あーもー絶対全部着せてやる！
とひとり決意を新たにする。
彼女から向けられる、戸惑いながらも、少し怒ったように睨む視線なんて、ちょっと、暴走しちゃうよ？僕、なんて、ソンミンの心は簡単に盛り上がっていくわけで。
そんなこと、知る由もないAは、少しでも自分に害が及ばないように、必死に逃げ道を探している。
「おててもあげるから。ほらこれ、着替えてきてー」
「あのねソンミン。今日はさ、耳と、手。それだけでいいんじゃないかな？」
「何言ってんの？」
「ほら、楽しみは後に取っておいた方が、いいっていうじゃない？」
「あー、なるほどね」
「そうだよ！さすが、ソンミン！理解が早いね」
両手を合わせて、やった！とばかりに、嬉しそうに笑みを浮かべる彼女は、自分の頭に耳が付いていることなんて忘れてしまっていて。
何を言ったところで、彼の強い願いを沈めるどころか、煽り立てるように、ちいさく揺れる、可愛いお耳。
「今日も、次も、その次も、Aはいっぱい、鳴きたいわけだね？」
「え？」
「たくさん練習すれば、それはそれは上手に、鳴いてくれるんだろうね？」
あ、それもいいかな、なんて。
追い詰めながらも、また楽しそうな未来が浮かんで、心は弾んでいく。
もし今日、Aが全部着てくれても、着てくれなくても、こんな楽しいこと、一度きりじゃ勿体無い。
まったく、そんなことも気付かなかったなんて、僕もまだまだだな。
「…着る」
「いいよ、無理しなくて」
「着るよ！今日だけだからね！」
そう言って、衣装の束を手にして、寝室へ向かう彼女の背中を見送りながら、ソンミンの頭の中は、既に、次回どうやって彼女に猫さんを着てもらおうかと、作戦を練るのに忙しい。
こうやって、いつの間にか彼の思い通りになってしまうのも、ふたりにとっては日常で。
勝てないと分かりながらも、抵抗を見せる彼女の攻略方法は、長年のデータとして積もりに積もって、よりソンミンの勝率を上げている。
着替えを待つ間にも、もう次回の作戦を練り終えたソンミンは、堪えきれない笑みをひとり、楽しげに零した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» お待たせしましたー！ひょくさん、ご堪能ください！ (2012年10月9日 16時) (
レス) id: de950f8c67 (このIDを非表示/違反報告)
よしみ(プロフ) - 井上よじゃさん» きゃー(//∀//)！！ 本当ですか？！ 楽しみすぎて眠れないっ(*´Д｀*) 待ってます^^☆ (2012年10月9日 0時) (携帯から) (レス) id: a091a96abc (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» ふふ、間もなく（多分明日）出ます。ちづさんとはだいぶ雰囲気違うヒョクチェさんのため不安がいっぱいです（苦笑） (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - ひかり♪さん» みんくんに手の平でゴロンゴロンと転がされたいですｗ楽しんでいただけて私も嬉しいです！にゃあｗ (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - よしみさん» ウニョクの長編・・絶対無理です・・(汗)兄さん、ヒニム、ウニョクは短編でも敬遠したい感じなのに・・(汗)でもおさかなのヒョクちゃんは私もお気に入りで、そう言っていただけてほんとにうれしいです＾＾ありがとうございます♪ (2012年10月8日 23時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちづ・よじゃ
| 作成日時：2012年9月12日 16時
