君に花束、恋に迷走(10/10) ページ28
「よかった」
何度も漏れる、本心を、彼女は受け止めるように、俺の背をとんとん、と優しく撫でていく。
「私も、よかったです。ずっとイェソンさんのペンでいて」
彼女から発せられた、思いがけない一言に、少し驚く。
「ペン？！」
「そうです。もう何年来のイェソンペンです。秘密にしてましたけど」
「初めて聞いた…」
「言ってませんもん。もしかして、ペンは彼女にはなれませんか？」
彼女の問いかけに、
「そんなこと、あるわけない」
と抱き締め返しながら、なんだか何枚も上手(うわて)の彼女に、気付いて、驚いて。
それでもそんな彼女に、もう恋に落ちてしまった自分に、苦笑いが漏れる。
「ペンだったんだ…」
「あ、でも、前回あの場でお会いできたのは本当に偶然ですよ？別に、そういう目的で近づいたとか、そんなわけでは無くて、私も驚いたくらいで…。いえ、電話番号は、あの、欲しかったから聞いちゃいましたけど…」
俺の肩に顔を埋めながら、彼女にしては珍しく焦ったような様子に、思わず笑ってしまう。
「なんだっていいよ。罠だったなら、はまった俺が、悪いんだろ」
「だから罠じゃないですって…」
不満げな彼女は、けれどどこか嬉しそうで。
「俺のこと、そんなに好きだったんだ？」
尋ねた言葉は、案外彼女にとって大きいものだったのか、何も答えが帰ってこない代わりに、耳が、首筋が、分かりやすく、赤く染まった。
初めて見せる、俺の愛おしい彼女の姿は、心だけでなく、意外に身体にも大きく響いて。
ガキみたいな衝動に、小さな溜め息をひとつつく。
「俺、今日は帰れないから。泊めてくれ。頼む」
ストレート過ぎたとしても、気の利いた台詞なんて、吐けるほど器用じゃないから。
ペンなら知ってるだろ？なんて甘えも、彼女なら許してくれそうだから。
何がなんでも、泊まってやる。
なぁ、ジョンジナ、彼氏ならこんな時間に押しかけたっていいんだろ？
ソレだけが目的じゃなくたって、ソレ込みが、男なら当たり前だって言ってくれよ。
こんな道端で、抱き合って、ハッピーエンドで、邪な期待もして。
なんだ、やっぱり愛や恋は、映画のように、崇高で運命的、とはちょっと違うけれど。
映画なんかよりずっと、胸が甘くて苦しいんだ、ジョンジナ。
ラッキーアイテム
革ベルト
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井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» お待たせしましたー！ひょくさん、ご堪能ください！ (2012年10月9日 16時) (
レス) id: de950f8c67 (このIDを非表示/違反報告)
よしみ(プロフ) - 井上よじゃさん» きゃー(//∀//)！！ 本当ですか？！ 楽しみすぎて眠れないっ(*´Д｀*) 待ってます^^☆ (2012年10月9日 0時) (携帯から) (レス) id: a091a96abc (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - よしみさん» ふふ、間もなく（多分明日）出ます。ちづさんとはだいぶ雰囲気違うヒョクチェさんのため不安がいっぱいです（苦笑） (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - ひかり♪さん» みんくんに手の平でゴロンゴロンと転がされたいですｗ楽しんでいただけて私も嬉しいです！にゃあｗ (2012年10月8日 23時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - よしみさん» ウニョクの長編・・絶対無理です・・(汗)兄さん、ヒニム、ウニョクは短編でも敬遠したい感じなのに・・(汗)でもおさかなのヒョクちゃんは私もお気に入りで、そう言っていただけてほんとにうれしいです＾＾ありがとうございます♪ (2012年10月8日 23時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちづ・よじゃ
| 作成日時：2012年9月12日 16時
