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成亮Side
授業参観だというのに、堂々と寝ているA。
そんなAをデレデレした顔で見つめる祐。
微笑ましげに俺を見つめ、時々口の動きで頑張れと伝えてくる慶にぃ。
高校生にもなれば、授業参観にくる親も少ないというのにコレだ。
まったく、やり辛くて仕方ない。
早く貴にぃのところへ行ってくれればいいのに…
とりあえず、なんとか出来そうなところからなんとかするか。
「このことから光源氏はどんな人物だったことが考えられるかって問いを、A。」
「……」
解答させたら起きると思ったのに、熟睡してやがる。
どうしてやろうか。
「Aー、起きなきゃチューしちゃうぞ？」
しまった、貴にぃ効果が切れたのか、さっきまで大人しくしていた祐が再び動き出してしまった。
そして、アイドル感バリバリの祐の言葉に、あちこちから黄色い声が上がる。
「…保護者の方はお静かにお願いします。」
「だって、目を覚ますには王子様のキスって決まってるでしょ。」
おい、そんな純粋な顔で聞けるんだ？
俺がおかしいのか？
そして、Aはなぜこの状況で寝てられるんだ！！
「慶にぃ、シゲ冷たくない？」
「えー、でも俺は塩対応でも萌えるけどな。
可愛いじゃん。」
「いや、プロとして塩対応ってダメでしょ。
やっぱりサービス精神大事よ。」
「アイドルじゃねーんだよ、こっちは！」
やってしまった。
久しぶりに叫んでしまった。
おかげでAは起きたけど、保護者含め教室内は笑いに包まれている。
「シゲにぃ、うっさい。」
「うるさいじゃねーんだよ、寝てる方が悪いだろ。
光源氏はどんな人物だったことが考えられるか、答えろ。」
保護者がいる手前、しっかりしようと思っていたが、ここまで来たらもう取り繕えない。
「男。」
それはそうだけど！
というか、女だったらまったく話変わってくるし！
いちいちツッコんでいたらキリがないから、スルーする。
「どんな男だ？
多くの女性と恋をしたんだよな。」
もう、ほとんど答え言ってるぞ。
「…ロクでもない？」
妹としては正解だけど、解答としては間違いです。
「AA、俺みたいな男だよ？」
…ツッコまないぞ……！
「ピンクの髪してる？」
「この時代にいるか！！」
負けた、我慢できなかった…
しばらくして貴にぃのもとへ行ってくれたけど、どっと疲れた。
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作者名：いちご | 作成日時：2019年6月24日 19時
