【d!】幸福のおまじない【sha】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:178 hit

↓ ページ5

.

子どもを、しかも自分で歩くこともできないほど小さな子どもを育てるという行為は、予想以上に大変だった。

第一に、子どもをベッドに寝かせることがほとんどできない。シャオロンが抱っこをしているときはすぐに眠りにつくのに、ベッドにおろした途端、目を覚まして泣きだす。初めのうちは、やっと眠りについた子どもを抱きかかえたまま、睡眠をとることがほとんどだった。

次に、シャオロンの仕事への影響。シャオロンから離れるとすぐに泣いてしまう、自分では何もできない子どもを家に一人でおいて行くわけにもいかないので、シャオロンが仕事をするときは必然的に子どもを連れまわすことになる。そうすると、以前まで引き受けていた害獣駆除の仕事をこなすことができなくなるのだ。人間は増えたのに収入が減ってしまうことが容易に想像できたし、実際に引き受ける仕事の量は依然と比べて少なくなった。

それでもシャオロンが子育てを続けられたのは、ひとえに街の人たちのおかげだ。結界を張る仕事の最中だけ、シャオロンの近くにいつつAのことを抱いていてくれた女性たちや、成長してすぐに大きくなるAに合わせた服をその都度作ってくれた仕立て屋の老人。

魔法なんて、得体が知れない不気味な力を扱うシャオロンを仲間外れにすることだってできたはずなのに、「いつも世話になっているから」「困っているときはお互い様だ」と、何の迷いもなくシャオロンとAを助けてくれる街の人々には、いくら感謝しても恩が尽きない。そう口にしたら、「今度傷薬を無償で譲ってくれ」だなんて頼まれてしまった。まったく、したたかな人たちだ。

✩.*˚

諸事情のため、8/11から8/15まで更新を停止させていただきます。申し訳ございません。

(8/17追記)すみません、更新の為の時間が思うように取れず……(実家、考えてたよりパソコン触れる時間が少ない)
もう少々更新停止の期間をいただきます、大変申し訳ありません……