白鳥沢にはもう一人一年レギュラーがいました 2nd【男主】

Ｎｏ．５２ ページ8

工の雰囲気が変わった


落ち着いてるって言うか、嵐の前の静けさみたいな


スパイクもレシーブもサーブも
初日みたいな慌ただしさもなく、自分の出来ることをしているような感じだ



｢ナイス五色！！｣


五色｢はいっ！！｣



何か掴んだのか？



ピピーッ！！



試合が終わる


初めて俺達白鳥沢はストレートで勝つことが出来た



｢｢｢ありがとうございました！！｣｣｣



こうして遠征合宿は後味の良い結果となって終わった



この４日間、いろいろあった
いや、ありすぎた


レギュラーメンバーと試合をしたし
工と喧嘩するし
監督には怒られるし



まあ、けど



凄く、成長した



よな？




……



…




A｢……｣


五色｢……｣



き、気まずい……


帰りのバス、俺の隣は行きと同じ工だ


午前中の試合でちょろっと声をかけたけど、真顔の工が怖い



五色｢……A｣


A｢ん！？｣



不意打ちで話しかけられ、静かなバスに俺の奇声が響く


やべっ、監督とか先輩たちめっちゃ見てる



五色｢その……ごめん……


俺、自分のことばっかり考えてて……


本当に悪かった｣


A｢工……｣



まさか、工から謝ってくるとは思わなかった


俺は視界が歪み、瞳から熱いものが流れ出す


その姿を見て、工は心底驚いた顔をしていた



五色｢(ｷﾞｮｯ)！！？なんで泣くんだよ！！？｣


A｢だっで……(ｸﾞｽﾝ)もう工と仲直りでぎないんじゃないがど思って……うぅ……

俺もごめん、工の気持ち考えずに……｣


五色｢いや、うん
俺が悪いんだよ……だからいい加減泣き止めって｣


A｢うぅ……(ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ)｣



天童｢あーーー！！工がAちゃん泣かしたぁ！！｣


五色｢えぇ！？｣


川西｢おい……五色……｣


五色｢なんで俺なんですか！？｣


鷲匠｢工！！静かにしろぉ！！｣


五色｢なんで俺！？｣


A｢づどむぅ！！(泣)｣


五色｢Aも泣き止めぇ！！｣

番外編１→←Ｎｏ．５１ 五色side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す