白鳥沢にはもう一人一年レギュラーがいました 2nd【男主】

Ｎｏ．７５ ページ37

インターハイ予選当日



移動中のバス内は静寂に包まれていて、誰一人として喋る人はいない



勝つことが当たり前の一回戦
だけど油断は禁物、前ばかり向いていて足元を掬われては元も子もない



一回戦の相手は扇南
無名の高校だけど、戦うからには全力で行く




斉藤｢もうすぐ着くから、降りる準備しろよー｣




A｢工｣


五色｢うぉ！？なんだよ…｣


A｢力みすぎんなよ？｣


五色｢わかってる！｣



バスから降りて、会場へ向かう



大勢の選手や観客たちがいる道を白鳥沢が歩くと、自然と道が開けた



｢来たよ白鳥沢｣
｢相変わらずオーラやべぇな……｣
｢牛若じゃん｣



やっぱり全国三本指と呼ばれる若利さんがいると、注目が集まる白鳥沢


さすが王者の貫禄ってやつだな…




牛島｢アップをする、すぐに準備しろ｣



｢｢｢はいっ！！｣｣｣



ボールの準備しないとな



そんなことを思いながらボールをカゴに出していると、俺の名前を呼ぶ女性の声が聞こえた



｢Aちゃん！｣



声のする方を向けば、俺は愕然とする



一番会いたくない人物が、そこに居たからだ

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