過去、今、未来【作詞集】【リクエスト始めました】

夏に溺れたい【ユンギ】 ページ28

片目を隠した前髪が
夏のせいで暑苦しい
今日もまた常識に沿った
一日を過ごす
ニュースから聴こえる
意味不明な数字
水浴びする誰かを見て
考えることはひとつだけ
太陽なんかよりもずっと
尖った目が痛い
夏の匂いが変わらずすることが
生きる上での幸せで
教育が義務なら
この苦痛も義務なんですか

海に行こうなんて言われないし
休みはいつも家の中だし
木製の電柱は折れそうだし
水を見ると心が痛いし
安楽死は子供には
許されないんですか
それでも最後の夏くらいは
溺れてみようか

何だっていいだろ
どうせ興味なんて
これっぽちもないんだろ
乾いた雲と
湿気った空気
日に日に減ってく喜び
首に当たったペットボトルの
水が喉を通った
「涼しかった」ただそれだけ
水に溺れられないから
せめて夏に溺れさせて



プール前の体操で
夏のせいで倒れた僕
今日もまた拍子の揃った
「日常」を過ごす
ガセの情報
勝ち逃げが信条
光る奴等を見て
考えることはひとつだけ
酸化していく成分と
飽和する空気
それでも夏が毎年来ることが
生きる上での幸せで
辞める自由も権利なら
なんで辞められないのですか

海月にでもいっそ刺されたい
爆破されてく幼少期
今日も海の音が響くし
水を飲むと喉が痛いし
何か薬を一箱下さい
全部飲み込んじまえ
それでも最後の夏くらいは
溺れてみようか

何だっていいだろ
どうせ話しかけても
「冷」しかないんだろ
夏の三日月
消えない世界
欠片すらもない「ヨロコビ」
ポイ捨てのペットボトルを
踏み潰してみる
「音が鳴った」ただそれだけ
水に溺れられないから
せめて夏に溺れさせて



僕の足跡が見える人は居ますか
僕の価値はいくらですか
魚の腹には逝きたくない
せめて見つけて欲しいから
水面に反射した
太陽めがけて

落ちた



何だっていいだろ
どうせ沈んでも
助けてくれないんだろ
塩素の香りと
水色の床
形を消した「 」
人生最後の言葉を
発そうとする
「見つけてくれ」ただそれだけ

夏にも溺れられないから
いっそ水に溺れてみようか

夏が来て 涼を求めて
水に溺れてみたんだ









入水で死のうとした中学生の歌。

主人公は海で死のうとしますが、結局プールで死にます。



理由は、








誰かに見つけて欲しかったから。

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