雪解けに花束を3 (ページ20)

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your side

A「私さ、」

目黒「うん」

A「さっき今の仕事好きかどうか分からないって

言ったでしょ？

それは嘘じゃないけど、本当じゃない」

目黒「どういう意味？」

A「蓮くんに聞かれるまで好きかどうか

考えた事なかったの。私にはここしか無かったから

でもさっき蓮くんに聞かれて改めて考えた」

目黒「うん」

A「うまく説明出来るか分からないけど

私の正直な気持ちを今から言うね。

私はこの場所が好きなんだと思う。

アイドルっていう仕事が好きなんだと思う。

覚えてる？蓮くん私に可哀想な自分に

甘えてるだけに見えるって言ってきたこと。

あれね、図星だったの

でも初めてだった。私の事真っ直ぐに見てくれる人

偏見とか抜きにして私の本質を見抜かれたと思った。

その時からかな蓮くんの存在が私の中で

どんどん大きくなっていったのは。

だからこそ迷うし混乱してる。

私も蓮くんの事が好きだよ。でもこの気持ちが

正しいのか間違ってるのか分からない。

私達はアイドルである前にひとりの人間だけど、

ファンの人からすれば、

ひとりの人間である前にアイドルだから。」

喉の奥がツンとして、苦しかった。

好きな人に好きだと伝える事がこんなに苦しいなんて

思わなかった。

詰まりながらもなんとか話し終えたけど

その間も蓮くんはずっと、うんうんって

聞いてくれていた。