日常 ページ18
午後3時の給湯室は私にとって日常になっていった
たった10分、
蓮とくだらない話をしながら
コーヒーを飲むだけの時間
蓮は営業部だから外回りで居ない日もあったけど
会社にいる時は必ず給湯室に来てくれた
どれだけ願っても二度と来ないと思った日常に
今私は居る。
自分の想像よりも遥かに私の中での
蓮の存在は大きかった
だから今日こそ、今日こそ蓮を食事に誘う
もう一歩蓮に踏み込みたい
頑張れ私〜、、、勇気を出せ、、、
緊張でどうにも仕事が手につかず
いつもより早く給湯室に着いてしまった
心臓が忙しそうに動く
手は汗が滲んでいるのに冷たくて
呼吸が浅い
早く来てと思う反面、まだ来ないで心の準備が
とよく分からないジレンマを抱えながら
蓮を待つ。
、、、、コンコン
目黒「お疲れ様です」
A「お、お疲れ様です、！」
いつもの挨拶を交わしたあと蓮が話していたが
正直それどころじゃなくて、上辺な返事しかできない
なんて切り出そう、どう言えば自然に誘えるかな
A「あの、目黒さん、は
食べ物、何が好きですか？」
緊張してるのが丸分かりなぐらい不自然な喋り方。
自分でも経験値の低さに情けなさを覚える
目黒「食べ物は〜何が好きだろう
あ、チーズとか？」
知ってる、、知ってるよ
溶けてるチーズは好きだけど固まってるのは嫌い
石鹸食べてるみたいだから、でしょ？
目黒「あ、でも固まってるのは好きじゃないんすよね」
A・目黒「「石鹸食べてるみたいだから」」
目黒「え？！」
やばい、思わず口からこぼれてしまった
A「え？！いや、、驚いたな〜！
私も固まってるチーズ好きじゃないんですよ」
目黒「ああ！なるほど
ハモったからめっちゃびっくりしました(笑)」
A「ね、ね〜私もびっくりしました、、はは」
誤魔化せた、、？
じゃなくて！！！！！
A「あの！私チーズフォンデュの美味しいお店
知ってるんです、良かったら今度一緒に行きませんか？」
目黒「あ〜、、そうすね
俺同期のやつに声かけてみるんでせっかくだし
何人かで行きますか」
A「え、あ、はい
そうですね、、私も何人か声かけてみます」
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作者名：ヌマノマ | 作成日時：2021年4月17日 2時
