【男主】君は特別【パラライ】

cozmezとの日常 ページ4

ここはいつ来ても苦しい気持ちになるな…

全く活気がなく、道の端にはやせ細って
どうにか今日を生きてる様な人達

生きるのも必死な貧困街
俺が小さい頃に育った所だ

俺はこの街に少なくとも週に１回は必ず来る

少女「うぅ…」

「！大丈夫？食べ物を沢山持ってきたんだ、家族は居る？みんなで食べて？」

少女「っ！…」

バッ

少女は俺の手から食料を奪い取る様に持って
走り去った

「…少なくて申し訳ないな」

珂「はぁ、また音夢兄ちゃん食べもん配り歩いてきてるし」

那「礼だって返ってこない事のが多いのによくやるよな」

俺に話しかけてきたのは双子の
矢戸乃上 珂波汰(やとのかみ かなた)と矢戸乃上 那由汰(やとのかみ なゆた)だった

「カナ、ナユ、おはよう」

珂「おはよう、じゃねーし。いつも言ってるけどさ、食べもんもらえる側からしたらすげー有難ぇけど、ああやって人からの施しを受けねーと生きていけねー様な人間はこの社会じゃ生きていけねーよ」

「わかってるよ…偽善なのもね。でも…俺も昔同じ経験をしてるから…それに俺だけ優しいお父さん達に拾われてここまでぬくぬく育って」

那「またそれ言ってるし…そんなの俺達気にしてねーのに。裕福な暮らしになってもこうやって会いに来てくれる音夢兄ちゃん俺は大好き」

ぎゅっ

ナユが俺の左腕に抱きついてきながら言った

珂「俺だって大好き、だし…音夢兄ちゃんは他の奴とは違う…特別だ。俺には那由汰と音夢兄ちゃんが居ればそれでいい」

ぎゅっ

カナは俺の右腕に抱きついてそう言う

那「俺も珂波汰と音夢兄ちゃんが居ればいい」

「……俺がカナとナユよりもっともっと年上だったら2人を養子に引き取れたのにな…」

珂・那「「……」」

珂「はぁ、音夢兄ちゃん全然わかってねー…」

「えっ？どういう事？」

那「そんな音夢兄ちゃんも可愛いから好きだけどな」

「？？？」

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