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ーA視点ー
＿＿＿
シャオロンに着いていき、辿り着いた先には、見覚えのある少女が感情の読み取れない笑顔で立っていた。
後ろに見えるのは、幻覚か、それとも。
hm「…Aちゃん。久しぶりだね」
目の前の少女は、いつも皆に被るような仮面を外していた。私には、素の状態の彼女の方が酷く愛らしく見えて。
愛らしい甘さで煮込んだ様な桃色の戦闘服、風に揺られるたびに美しく翻す鮮やかな髪の毛、幼い女の子が夢に見るほど欲するキラキラの"魔法のステッキ"。
本来ならばキラキラの笑顔と希望を携えた瞳が良く似合う筈のその姿には、生々しく赤黒い液体が所々に付着して濁っていた。
『…魔法少女、だったの？』
その私の問いかけに、相も変わらず感情の読み取れない笑顔でニコリ、と微笑み、私の後ろに控えるシャオロンとコネシマを見つめる。
hm「…まさか。ただの捨て駒だよ。私は」
姫ちゃんは最初、私を睨んでいるのだと思っていた。
だが彼女が仇とばかりに睨んでいるのは私の後ろだった。
hm「あーあ、予想外だなぁ。Aちゃんってやっぱり人たらし？」
彼女は瞬きをすることもなく、淀んだ視線を私の後ろに集中させて静かに呟いた。
『…何、言って』
hm「私ね、最初はただ純粋に、Aちゃんが羨ましかっただけなんだ。グルッペンに愛されてて、良いなって」
漸く彼女と目が合ったかと思えば、ドロドロと濁った"あの瞳"が私を射抜いた。彼女が初めて溢した感情は、諦めともとれる、怒りともとれる涙だった。
後ろからの禍々しい気配を、長年魔法少女をやっている私が感じ取れない訳もなく。
hm「だけど追求して、真実を知って、後悔した。」
ねぇAちゃん、と彼女の声が震えた。
なんとも言えない不気味な雰囲気から逃れたくて取り敢えず彼女に向かう足を動かすも、その足は嫌に冷たい"ナニカ"によって阻まれて身動きが取れなくなる。
『…！！』
姫ちゃんの後ろから黒い触手が伸びてきて、私を抱くように優しく包んでいた。逃げられない。
hm「ごめんね。許してね」
穢物は赤い血を流さない。魔法少女の血も赤ではない。
後ろの"人間の肉塊"は、きっと彼女がやったものだ。
でも、その彼女を責めることはもう出来なかった。
彼女の後ろから現れた黒い男によって、彼女の首と美しい髪とがはらりと宙を舞い、ぼとりと夢も希望もない鈍い音が鳴り響く。
？「すまないな、迎えが遅くなった」
低い、聞き覚えのある重低音が耳を揺らした。
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期待瀬名(プロフ) - ツナ缶さん» ！？文字化け気付いてくださった方がいらっしゃる…！！ひぇん嬉しいです〜！！ありがとうございます！ (10月1日 0時) (
レス) id: 65371bf8e6 (このIDを非表示/違反報告)
期待瀬名(プロフ) - おにぎりさん» 何度も噛み締めて読みました……ありがとうございます…！そう褒めて頂けると頑張った甲斐があります！！読んでくださった上に感想まで頂けて嬉し過ぎましたありがとうございます、！ (10月1日 0時) (レス) id: 65371bf8e6 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ缶 - 文字化けを治すことができると聞いて試しにやってみたらすっごい鳥肌立ちました！ありがとうございます！ (9月29日 14時) (レス) @page2 id: 494df42b33 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり - コメント失礼します。こんなにも素敵な作品に巡り合わせてくれた貴方様に感謝を。ありがとうございます。とても面白かったです。続き、楽しみにしています (8月16日 8時) (レス) @page15 id: c6065bae9a (このIDを非表示/違反報告)
期待瀬名(プロフ) - まるさん» 頑張って綴ったのでめちゃくちゃ嬉しくて泣いちゃいました…！！ありがとうございます！頑張ります！！！ (6月24日 23時) (レス) id: 65371bf8e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：気体瀬名 | 作成日時：2023年2月3日 1時
