初恋は白王子 Ⅲ (ページ21)

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シャワーを浴びてお湯に浸かるとさっきまで冷えきっていた体が嘘のようだった

白岩)「服置いとくからね」

『ありがとう』

ドア越しに声が聞こえる

"頼られない方が悲しいんだけど"

脳裏に浮かぶのは渡韓の話

私ばかりいつも助けて貰っていて、彼に何を返せているだろう

迷惑をかけている分何か力になりたかった

『なんで言ってくれないの...』

呟いた声は誰に聞こえるわけでもなく水に吸い込まれた

お風呂から上がり脱衣所へ出れば律儀に服がたたんで置いてあった

しかし明らかに大きい

トレーナーを着たがもはやワンピースである

ジャージも裾をずってしまう長さ

華奢だからあまりサイズは変わらないかもと思ったが流石にそうはいかなかったようだ

裾をずっていては帰る時に雨で濡れてしまいそうなのでトレーナーだけ着て廊下へ出た

「ゲームやる約束したやん！」

白岩)「いや、そうなんだけど」

「入れてよ～」

「まあまあ、じゃあまた今度にしよっか」

洗面所から出ると玄関がなんだか騒がしかった

『上がったよ？』

白岩)「あ」

川尻)「え!?」

河野)「A!?」

與那城)「Aちゃん!?」

玄関に顔を出せば話していた相手は川尻さん、純喜くん、與那城さんだったようで全員が驚いた様子でこちらを見る

それを見た瞬間瑠姫くんが思いっきり玄関のドアを閉めようとしたが誰かの手によって阻止された

河野)「おまっ！どういうことやねん！」

川尻)「えっ、えっ！ごめん！お取り込み中だったんだね！」

與那城)「ちょっとお話聞かせてもらおうか」

白岩)「いや！ちょっと奨くん力強すぎ！」

"リビング行ってて！ジャージ履いて！"と言われとにかくリビングのソファで待機することに

少しすると純喜くんが大きな声で数字を数える声が聞こえてきた

白岩)「え、なんでジャージ履いてないの!?置いてあったよね？」

『裾ずっちゃうから外出たら雨で濡れる』

白岩)「濡れてもいいから履いて！」

『えー、動きずらいよ』

白岩)「いーから！」

脱衣場に置きっぱなしだったジャージを乱暴に投げられると、それと同時に純喜くん達が入ってきた

川尻)「とりあえず今日は帰ろ？」

河野)「いや！こういう事は白黒はっきりさせなあかんっすよ！」

與那城)「俺も気になるなー」

川尻)「奨くんまで!?」

"早く履いて！"と今度はキッチンの方へ追いやられた

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