初恋は白王子 Ⅲ (ページ20)

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インターホンを押すとすぐにドタドタと足音が聞こえてきた

白岩)「はーいってA!?」

『急にごめん...タイミング悪かった？』

白岩)「いや、そういうわけじゃないけど...てかなんでびしょ濡れなの」

『まあ色々ありまして』

"急に降られた"と言えば駆け足で取りに行ってくれたタオルを渡される

白岩)「今日雨予報出てたけど」

『そんなの見てない』

白岩)「見ろよ」

『そういうわけだから傘貸して』

白岩)「傘？」

『え、うん』

白岩)「まさかその状態で帰る気？」

『そうだよ』

白岩)「いやダメだから、風邪ひく」

"とりあえず風呂入れ"と呆れた顔で言われる

『別に大丈夫だよ』

白岩)「大丈夫じゃない。家まで送ってくから」

『まだ電車あるし帰れる』

白岩)「黙って送られとけよ」

『なんか迷惑かけすぎて申し訳ないから嫌』

白岩)「別に迷惑だなんて思ってないから」

『でも』

白岩)「このまま帰られる方が心配だし頼られない方が悲しいんだけど」

返す言葉が見つからず言い淀んでいると"ほら"と腕を引かれた

『着替えない』

白岩)「貸すから」

少しの抵抗を含んで放った言葉も虚しく洗面所まで半ば強制的に連れられる

そんな心配しなくたって風邪などひかない

そうは言っても私の話なんか聞いちゃいないので黙ってお湯に浸かることにした

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