初恋は白王子 Ⅲ (ページ14)

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衣装チェンジを終えて出てくるとセットはまるでスパイ映画に出てくるアジトのようになっていた

佐藤)「それ、何咥えてるんすか？」

『ココアシガレット』

雰囲気に合わせたいと言われ、タバコ代わりにココアシガレットを咥えることになった

駄菓子なんて久々に食べたが結構美味しい

佐藤)「そういやクリスマスの日サンタコスでライブ配信してましたよね」

『あの日のことは記憶から抹消して』

佐藤)「無理っすよw
自分でやるって言ったんですか？」

『なわけないでしょ。気づいたらそんなことになってた』

佐藤)「じゃあAさんのマネージャーさんに感謝しなくちゃ」

拝むように手を合わせる彼に一喝いれる

佐藤)「惚れそうって言ったら瑠姫くんに殺気ビンビンの目で見られましたw」

『殺気ってわかるもんなの？』

佐藤)「わかるでしょw
相変わらず危機感ないっすねw」

『そうねー、一番最初に殺されるかも』

"Aさんらしいw"と言ってまた笑われる

これは確実に馬鹿にされているな

佐藤)「まあそういう所がいいんですけどね」

『馬鹿にするのも大概にしなさいよ』

佐藤)「俺も立候補していいっすか？」

『何に』

佐藤)「彼氏候補」

『誰の』

佐藤)「Aさんの」

『頭大丈夫？』

佐藤)「元からおかしいんで」

『あぁ、そうだった』

佐藤)「でも今のは本気っすよ」

そう言うと咥えていたココアシガレットの反対側を佐藤くんが咥えた

驚いてすぐにパキッと折れば"はやーw"とヘラヘラしている

佐藤)「意外とウブなんすね」

『うっさ』

佐藤)「口悪いなーw」

『次から佐藤くんのこと共演NGにしようかな』

佐藤)「それはガチで落ち込むやつ！」

"それだけは勘弁！"とセットにはいる時も引っ付いて来ていたがすぐに"これ美味っ"なんて言っている

呑気な奴だ

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