初恋は白王子 Ⅲ (ページ31)

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38.満腹感ページ31

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ｱﾘｻ)「お疲れ」

『お疲れ様です。あの、この後木全くんと夕飯行くことになったので今日は自分で帰ります』

ｱﾘｻ)「あら、そうなの。ならそこまで送っていくわよ」

"ありがとうございます"と会釈をして木全くんが送ってきた住所のお店まで車に揺られた

着いたのはこじんまりした韓国料理屋さん

少し大通りを外れた場所にあったこともあり店内にはゆったりとした雰囲気が漂っていた

受付で木全くんの名前を言うと既に着いていたようで席まで案内された

『ごめん、遅くなった』

木全)「お疲れ様です、僕お腹ぺこぺこです」

『ごめんごめん』

木全)「何がいいです？」

『よくわかんないから木全くんのおすすめで』

木全)「了解です。ちなみに明日はなんの仕事ですか？」

『明日？確かラジオ出演だったと思う』

木全)「じゃあ大丈夫ですね」

『ん？うん？』

何が大丈夫なのか全くわからないまま店員さんを呼ぶと慣れたように注文をしてくれた

少しすると美味しそうな料理が次から次へと運ばれてくる

あまりの量に驚愕していると机はあっという間にパンパンになっていた

『こんなに食べれるの？』

木全)「余裕っす！僕こう見えて大食いなんですよ！」

最近体を搾っているらしく、久々に今日はガッツリご飯を食べるらしい

パクパクと美味しそうに食べる彼を見ているだけでお腹いっぱいになりそうだった

『これじゃリバウンド確定だね』

木全)「今日は仕事頑張ったんでご褒美です！」

"そんなことよりどうですか？"と、しばらく見ていた私に早く食べろと言わんばかりに言ってくる

近くにあったクッパをすすれば一気に口の中が辛くなる

"どう？どう？"と言いたげにこっちを見つめる木全くんには尻尾が生えているように見えた

『辛いね、でも美味しい』

木全)「でしょ！Aさんはもっと食べないとダメですよ」

『心配しなくてもちゃんと食べてるって』

木全)「まだまだ足りません」

"今日はしっかり食べきるまで帰しません"とドヤ顔で言う彼

明らかに無理だと諦めたい量だが、明日の仕事を気にしてくれるあたり彼なりに気遣ってくれているのだろう

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