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トントンside
「…最近はAさんあの公園に来うへんから、もう俺が無理やりにでも会いに来んとダメやと思った。せやから先週と今日、ここへ来た。もちろん客としてや」
「軍人さんのお給金はお高いんですね」
軍人であった事を隠したことと軍人である自分は遊女とは付き合えないと言ったことを気にしているのだろう。
遠回しに言われる嫌味に気付くも反論したい気持ちををグッと堪え飲み込む。
「諦めようと思った。この前言った通り俺は軍人や。今は水面下で野放しにされとる人身売買や売春をなくすための政策を立ててる。せやから直接遊郭の状況を見る必要があったんや」
「……」
「まさかここでAさんと会うとは思わなくて俺も取り乱してた。けどしっかり話したかったし、Aさんと一緒におりたい気持ちは変わらんかった」
「…っ、なら、なぜ…？」
真っ直ぐこちらを向いて話を聞いていた彼女が少し下を向き、言葉をつっかえながら問いかける。
潤んでいる瞳を見て抱きしめたくなるが堪え膝の上で握る手に力を込める。
「上司であり友人である奴に心配されたんや。仕事が手付かずになった俺を見てられないとまで言われた」
そう、あれはAさんと会えなくなって少ししてからのことやった───…
俺は自室で書類の確認をしていたが半分程は内容が入って来なかったんじゃないだろうか。
扉をノックする音で我に返り、返事をすると入ってきたのはグルッペンで滅多に俺の部屋に来ることのない奴が来たことに驚いた。
どうしたのか尋ねれば手に持っていた書類を俺に差し出す。
見覚えのある書類にグルッペンの顔を見れば眉を潜めていた。
「記入漏れがあるゾ」
「…はぇ、」
よくよく見れば確かにチェック欄にあるはずの俺のハンコはなく、数枚ある書類を受け取り一枚一枚見直す。
「そんなにその遊女が好きか」
「いきなり何言うて…」
「傷つくのはお前や。…そんなん友人として見てられん」
グルッペンの言葉に、表情に言葉を詰まらせた。
俺は友人にこんな辛い顔をさせてまで恋焦がれる資格があるのだろうか。
今は何より不当なことで溢れているこの国を正さなければならない。
この国のためにも、Aさんのためにも…。
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miu(プロフ) - 有馬さん» 返信ありがとうございます。悠亜さんですね、読みに行かさせていただきます...！！ (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4e1434e32c (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - miuさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！ｲﾗｽﾄは悠亜さんに書いていただきました。素敵な作品を書いてらっしゃいますのでもし読んでないならば是非読んでみてくださいね！ (2020年6月1日 16時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - 何から何まで好きすぎるし、イラストのtnさんかっこよすぎるし最高じゃないですか..これからも頑張ってください！！. (2020年6月1日 16時) (レス) id: 4e1434e32c (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 未来さん» コメントありがとうございます。完結に向けて頑張りますので最後までお付き合いよろしくお願いします！！ (2020年6月1日 1時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 青さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです、励みになります；；本当にありがとうございます！！ (2020年6月1日 1時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
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