第22話「現状」 ページ24
雄「よし、全員集まったな。じゃあ、この時点での結果を発表する。___まず一番良かったのは、十座だ」
万「は…？」
十「え…？」
雄「左京と僅差だが、良かった」
演技はともかく、後悔で終わらずにしているところが、十座くんのポイントだ。
見ているこちら側にも、十座くんの良さがちゃんと伝わってきた。
万「おい、俺のどこがいけなかったんだよ？5分きっちりでまとめたのによ」
「確かに5分で収まってたし、演技も良かったかもしれない。けど___それで終わりなの？」
万「は？」
「私は……あんなポートレイト見たくなかった」
い「万里くんの、作り話だよね？」
万「…なんで、そんなのが分かるんだよ」
「みんなのを見てきたけど、貴方のが何も伝わってこなかったから」
万「……」
「今までなーなーでやってきた結果がこれなの。自分は優秀と思ってるけど___私は、どんなことに劣ってても、貪欲に追い求める人が一番強いと思う」
万「ちっ……」
い「あ、万里くん…」
万里くんは、稽古場を出て行った。
＊
翌日、放課後に文化祭の準備の材料を買っていると、電話が鳴り出した。
「もしもし？」
い『Aちゃん？万里くんが___』
「___え…？」
＊
急いで買い物を終わらせると、真っ先に寮の方へ向かった。
「(あ、あそこにいるの)」
万「……」
「万里くん！」
万「…何だよ」
「退寮するって本当？」
万「だってもうケリはついたしな」
「…まだそんなこと言うんだ」
万「うっせー。とにかく、俺は今日で辞めるから」
「………ちょっと来て」
万「あ、おい！」
私は万里くんの手を引っ張り、とある所に向かった。
続く (更新停止中)
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作者名：柚芭（ゆずは） | 作成日時：2017年9月27日 21時
