カタログが普通にあるから ページ32
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Aの体調も落ち着いてきた頃、
俺も１つの大きな決断をする事になる。
まだ、決まってなかった、家探し。
色々ね、考えたんだ。
俺さ、やっぱり、将来は、Aと一緒にいたいし、
てか、もうね、A以外考えられない。
だってさ、想像つかないんだよ。
俺がA以外の人と生活してるのが。
だったら、Aも30なったし、俺も30なるし。
別にそういうの、考えてもよくない？
色んな事があるのはわかってる。
だけどさ、Aが、流産したって知って、何も出来ない自分が情けなくて・・・
せめて、ちゃんと予約してたら、俺んところにも連絡はくるでしょ？
って、思っちゃいるんだけど・・・
現実は、
そのリング１つ選ぶのも色々考え込んでしまう。
今のAは、絶対に断るっていうのも、何となくわかる。
Aが持ち帰ってきた、エンゲージリングのカタログ。
普通の男が見たらさ、プレッシャーになるんだろうけど、
職業柄、別にそんなのがあってもおかしくはなくて・・・
Aの部屋にはウエディングドレスのカタログとかも、普通に置いてあるし。
徐ろに手に取ってみたのは、明里ちゃんとこのショップのカタログ。
だけど、それには、端に折り目がついていて、
そのページを捲ると、大きく色ペンで丸が付いてるリング。
色ペンで丸って・・・
あ「何見てんの？」
雅「暇だから、明里ちゃんとこのカタログあったかた見てんの。って、大きく丸って！」
突っ込むと、
あ「だって、コレ欲しいんだよね〜。ボーナス出たら自分にご褒美に買おうかなあって思ってるけど・・・見た目は可愛いのに、お値段が可愛くないの。」
そのリングは、センターに大きめのダイヤモンドそのサイドにはAの誕生石のペリドットがあって、たぶん、花をモチーフにしてんのかな？
確かに、Aが好きそーなデザイン。
値段が可愛くないって言ってるけど・・・
俺もその値段見て、少し躊躇う。
想像よりも、0が１つ多い気が・・・
イヤ、確かにさ、給料3ヶ月分とか言うけどさ、コレ、一般のサラリーマンは買わねーだろ！
俺でも迷うわ！
でも、Aは、このリングを見ながら、
あ「うーん・・・車を一括返済するか、リングを買うか・・・」
って・・・
あ「まー君だったら、どっちにする？」
いきなり聞くなよ・・・
でも、そんなに欲しいなら、
雅「俺だったら、車一括返済する。」
あ「やっぱそーだよね！」
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作者名：菜菜
| 作成日時：2016年11月7日 4時
