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というより、話す勇気がなかった。
迷惑掛けたくない。
反対されたくない。
そう思う気持ちがあった。
だけど、、、診察の結果は
「心音の確認が取れません。」
姿は見えているのに、心音が聞こえない。
やっぱり・・・
たぶん、自分が思ってるよりもショックが大きかった。
処置をしなきゃいけなくなって・・・
ついでに、色々な事もあるから、そのまま、入院した。
田中さんにだけは、本当の事を言って、絶対に誰にも言わない様に、山本さんにも、言わない様に。
お願いして、仕事を休んだ。
まー君には、仕事が忙しくて、ホテルに泊まり込むって伝えて、、、スマホの電源を切った。
初めての産婦人科病棟。
いつもの病室とは違う。
時々、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、それが、余計に寂しくて、切なかった。
私は、産める体じゃない。
そう言われた感じがして、
辛かった。
先生にピルの処方をお願いしたのは、処置が終わってすぐ。
そうしないと、自分を制御出来なくなりそうで。
医「本当に良いのかい？Aちゃん。よく考えてごらん？自然妊娠が出来たんだよ？なのに」
あ「だからです。」
妊娠する可能性があるって事なんだから。
だけど、今まで着けたことなんてない。
だから、ピルを飲んで、妊娠しない様に。
周りに迷惑を掛けない様に。
私が我が儘を言いださない様に。
私が我慢すれば、大丈夫。
家に帰る日、スマホの電源を入れた。
大丈夫。
まー君、ごめん。
でもね、きっと、この事を知ったら、貴方は、責任を感じて、悩むでしょう？
普段、仕事でも、色んな事を考えて、気を回して、気を使って、私にまでそんな風になってもらいたくない。
私の前では、どんなに機嫌が悪かろうが、落ち込んでようが、
素でいてもらいたい。
私の前では無理なんてさせたくない。
代わりに、私が忘れなければいい。
ちゃんとね、いたんだよ。
確かに、私のお腹の中に存在した。
あの具合の悪さは悪阻なんだって思うとね、自然と、具合が悪くても、なんとかなるって思えた・・・
ヒールの靴をやめてみたり、
色々ね、想像して、男の子だったら？女の子だったら？
ピアノさせたいなぁ。
野球させても良いなぁ。
初めて、そんな夢を現実的に考えた。
楽しかったの。
嬉しかったの。
私でも、1週間だけ、ママになれた。
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作者名：菜菜
| 作成日時：2016年11月7日 4時
