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雅「おまえ、嫁がいるだろーが！！」
あ「あ、そっか、結婚したんだっけ。」
祐「そう！そこの浮気男と違って、俺、一途だから！」
それ、ココで言うなよ・・・。
祐は、幼馴染と去年結婚した。
俺はもちろん、Aも知ってる子で、もうすぐ、子供も産まれる。
何もかも、弟に先を越されてる兄って・・・
あ「おめでとう〜。まさか、本当にユキちゃんと結婚するなんて・・・なんか、ねーちゃん嬉しい。」
あぁ、結婚式、もう少し早くAと戻ってたらって思わない訳じゃなかったんだ。
雅「あれ？母さんは？」
そう聞いた時、奥のリビングから、パタパタと足音が聞こえてきて、
母「祐ー？雅紀帰ってきたの？」
って言いながら、俺達がいる玄関に来て、Aを見つけて、
母「Aちゃん！？」
ほらね、ビックリしてる。
俺に「おかえり」の言葉もなく、
母「ヤダ！雅紀が1人連れて来るって言ってたんだけど・・・Aちゃん、元気だった？」
俺を通り過ぎて、Aのところに行って、
あ「お久しぶりです。お母さん。」」
母「・・・体調は？大丈夫なの？」
あ「うん。って、大丈夫だから、ココに来てるんじゃない。」
母「だって、あーもー、どんな子連れて来るのか少し緊張してたのに！はぁ、Aちゃんで良かった。あ、ほら、ココ寒いから、早くリビングに上がって。お茶淹れるわ。それに、お父さんもきっと、ビックリするんじゃない？」
そう言いながら、Aの手を引いて、スタスタとリビングへ戻って行く。
アレ？俺の実家だよね？
取り残された俺と、祐。
祐から、肩をポンと叩かれて、
祐「仕方ねーよ。ねーちゃんに敵う人なんてこの世にいないんだから。」
俺さ、実家に帰って、まだ「おかえり」も言ってもらってないなら、新年の挨拶もしてない・・・
それだけ、俺の家族はAの事を可愛がってた。
5年前、Aが離れていった時、敢えて口には出さなかったけど、引っ越すときに、色んな物を捨ててる俺を見た母さんから、
母「辛いなら、何で離れていくような事したの。」
何となく、原因もわかってたみたい。
それ以上は何も言われなくて、それ以来、俺の前でAの話題は出なかったけど。
今の母さんを見て、辛かったのは、寂しかったのは、俺だけじゃなかったんだって思った。
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作者名：菜菜
| 作成日時：2016年11月7日 4時
