ニノ ページ25
そこにあるベンチに座り、タバコに火を点けた時だった。
「こんなとこで何してんだよ。」
その声に振り向くと、小柄で色白の男が俺を見てる。
はぁ。
何しにココに来たんだよ・・・
雅「何でいんの？」
「何でいんの？じゃねーわ！お前んとこがウチに仕事しろって言ってきたんだろーが！」
雅「あぁ。忘れてた。大ちゃんにデザインお願いしようと思ってたんだった。」
「忘れてたって・・・お前。はぁ。」
コイツは、ニノ。
大ちゃんって、Aの元旦那なんだけど、そこのアシスタントをしてる。
そして、
和「Aさん、元気？」
雅「元気だよ。」
和「なら、良かったよ。」
Aに対して、罪悪感があるのは知ってる。
Aが言ってた、元旦那の「愛人」だよ。
ニノは、男しか愛せない。
俺ね、大ちゃんの事は、知ってたんだ。
俺の大学の先輩で、デザイナーとしての才能は誰もが平伏す。
だけど、才能があるって事はさ、
それだけ拘りが強いって事なんだ。
だから、俺みたいに企業にいても周りと衝突したり、才能を妬まれたり。
そんな事が続いたから、早くに独立した。
その姿に元々憧れを抱いていたのがニノで。
ニノは、俺が昔世話になった人の子供だよ。
当時は、まだ、中学生のガキだった。
そのガキンチョが、たまたま憧れてたのが大ちゃんだって知って、
だから、大ちゃんの事務所を紹介した。
和「Aさん、変わんないね。」
初めの頃は、寂しそうに言ってたよ。
そりゃそうだよ。
ニノはAの記憶がなくなる前を知ってる。
和「ねぇ？」
雅「んだよ。」
和「父ちゃんがさ、たまには来いって。」
雅「・・・」
和「Aさんと一緒に。」
琥珀色の目が俺を見てくる。
コイツ、ガキの頃から勘が鋭かったんだった・・・
和「俺はさ？子供とか、まず無理だけど。それでも羨ましかった。」
雅「・・・」
和「いつもAさんが笑ってて。相葉さんも笑ってて。晴がキャッキャしてて。そりゃ若かったけど。それでもさ、スッゲー幸せそうだったよ。」
ここに、晴がいた事を知ってる人間がいる。
産んだ本人は、忘れてるのに。
和「そんなさ、幸せな記憶も沢山あったんじゃないの？」
幸せだったよ。
金なんてなかったけど。
それでも、幸せだった。
Aの20歳の誕生日まで、幸せだったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 498人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜菜(プロフ) - かなさん» お読み頂きありがとうございます。2部への行き方はお知らせに書いてある通りです。表現等の問題からフラグ設定となっております。ご了承下さい。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - こんにちは。パステルですが、第2部は作られてないのですか？すごく続きが気になります！ (2019年10月20日 20時) (レス) id: c5596d406b (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - サラーさん» サラーさん、ありがとうございます(^^) 大作…と呼べる物ではありませんが、今までの私の作風とは違う物なので少しドキドキしながら描いてます。第2部でも、よろしくお願い致します。 (2018年8月26日 5時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
サラー(プロフ) - お誕生日おめでとうございます♪( ＾ω＾ )♪ ステキなお話をどうもありがとうございます♪( ＾ω＾ )♪ なにやら物凄く読み応えのある大作で、続きがとっても楽しみです♪(*´ω｀*)♪ お体にお気をつけて更新をお待ちしております(●´ω｀●) (2018年8月24日 17時) (レス) id: 66c911b96a (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - えりさん» えりさん、ありがとうございます(^^) 実は3部作w1部は序章に過ぎませんが、2部でもよろしくお願い致します。 (2018年8月24日 7時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜菜
| 作成日時：2018年8月17日 6時
