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よくよく考えてみれば、時間がないという理由だけではない。探せば意外と出来る場所もあるのかもしれないけれどあまり知り合いを増やすのもなあ。やっぱりたまには時間を取らないと、
「っぶね…！」
「なんだ、松田か」
「何だじゃねえだろ！確認くらいしろ！」
「声も掛けないで近寄るのが悪い」
「お前の蹴り食らったら一発で病院送りだ…」
警視庁での会議を終え、少し時間を取れたこともあり道場を借りて久々に身体を動かしていた。誰かの気配がしたので蹴り上げたのだが間一髪それを避けられ見ると松田のサングラスが飛んでいる。
「よくいるって分かったな、誰にも言ってないのに」
「バラし終わって帰ってきたら、珍しくお前の車が止まってたからよ」
「上にだけは許可取ったんだけどさー…松田、時間あるなら相手してよ」
「勘弁しろ、対人なんて暫くやってねえしお前の相手なんて降谷以外出来ねえよ」
「教官は出来たじゃんか」
「一緒にすんな」
「叩くなよー」
少し考えない時間が欲しかった。あまり外でトレーニングをするのも気が進まなかったからここに来たんだけれど、まあ相手はいないし個人練するしかない。
「嫌なことでもあったんだろ、飯食ったか？」
「ここ禁煙」
「食ったかって聞いてんだよ」
「食ったよ、牛丼7杯」
「…こっちが吐きそうだな…」
今までなかった異変、と言う程のことは別にない。でも少しずつ変わってきたこともある。降谷とのやり取りも、それ以外でも私の頭と言うか身体というか色々なものがきちんと付いてきていない感覚がある。
「やってねえんだろ、どれも」
「時間ねえからなあ…キックボクシングもムエタイも家でトレーニングしようとすると大体物壊すし」
「Aの足技はえぐいからな…」
「この脚で誰でも落とせるわよ」
「気持ちわりい喋り方すんな…ガチかよ」
あーあ、壊れちまった、とサングラスを拾いながら松田はそう言っている。やっぱり相手はしてくれないみたいだ。確かに降谷以外には毎回蹴りを顎に当ててしまっていたっけ、あいつは相手なんかしてくれないしなあ、今日もいないし。呼び出しがかからなければもう少しやってられるかな
「A」
「はーいー？」
「徹夜になりそう？」
「いや、今日は多分平気、けど何で？」
「ちょっと付き合えよ」
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作者名：真琴 | 作成日時：2018年4月20日 23時
