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「あー…腹減ったー…早く飯ー…」

「だったら手伝えよ」

「ヤローの料理風景なんてなんの面白味もねえじゃねーか」

「あ、今のは降谷に喧嘩売ってる」

「いいツッコミ。没収」

「あ、」

「うちは禁煙だって何回言えば分かんだよ、ベランダ出て吸え!松田も!」

「飯は…「飯食いたきゃ消せ!」

休みの予定はいくらでも変わる為、予定は知らないはずなのに、22時を過ぎて警察庁を後にしたら駐車場で松田と萩原が待ち構えていた。まだ家の前で待たれるよりはマシだけど、タイミングがいいんだよな…本当に。自宅の場所は同期と限られた部下以外は知らない、公安という部署柄だ。

禁煙だといくら言ってもリビングで煙草を吸い始めるこの2人。何回捨てても持ってくるからいい加減灰皿を捨てるのもやめた。

「はいよ、チゲと鶏白湯」

「まさかのダブル鍋」

「Aは鍋好きだね、今までも半分以上鍋だった気がする」

「簡単だし、好きだし、何より量を稼げる」

「ああ、怪獣だもんな」

「ほら、萩原も言ってる。怪獣」

「はいはいどうせ怪獣ですよ」

鍋をつつきながらお互いの近況を教え合う。松田と萩原は四六時中一緒にいると言っても過言ではないから必然と私が話す時間が長い。この前、たまたま伊達に会って、これから張り込みだと言っていたとか、松田が上司と口論しかけて萩原が止めたとか、緑川がしてきたおかしなネクタイの柄がどうとか、降谷が苛立ちのあまりコーヒーの空き缶を握り潰してやっぱりゴリラだとか、そんな大好きな同期たちの今の話。

「Aは降谷に怒られたんでしょ、傷の件で」

「あーもう、まだそれ引っ張る?もう塞がったよ…ていうかあいつに言ったの萩原じゃん」

「まあね」

「気持ちは分かんなくもねえけどな。正座か?」

「私はテスト隠した小学生か。呆れられたけどいつもと同じ。傷触られて帰されて終了」

お約束だな、と笑った後、気にならないの?と萩原が聞いてきた。

「気になるって何が?」

「降谷に傷触られるの。」

「別に?服の上からだし、たまに直の時もあるけど…降谷も気にしてないでしょ、私の自己申告が嘘じゃないか確かめる為だから」

「ふーん…」

「あ、そうだほら、ちゃんと塞がった、今回は嘘じゃない」

はあ、と松田に大きな溜息を吐かれ、無言でTシャツを元に戻された。

「その癖、絶対外でやるなよ」

「はあ?やる場面なんかねえわ」

痛そうな傷だね、松田の横で萩原がそう言ったのを私は何となく聞いていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:真琴 | 作成日時:2018年4月20日 23時

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