たった1人のお姫様 (ページ32)

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『おは…よ、うっ』

扉を開けるとパッと合う視線。
眉毛八の字になってるし。どういう感情よ
なんて思っていたらラウちゃんが突進するように私に抱きついてきてそのままソファーへ連行。

阿部「あ、救世主ー」

『どうしたの？』

阿部「これ俺の苦手分野で。
A説明できる？」

『亮平にも苦手分野あるんだね』

阿部「あるよ。だから日々勉強」

『流石だわ』

広げた教科書を読み解き、細かく丁寧に説明していれば

阿部「翔太？」

私に喋りかけようと近寄ってきた翔太に
有無を言わせないような笑顔を向ける亮平

どういう状況…？

その後の振り入れは手加減なんてやっぱりしてくれなくて、でも無心になれるからありがたい。時間も忘れて体に叩き込み照先生のOKも出たところで終了。

ソファーで夕食をいただいていればそろそろ帰る雰囲気…
さーて…どうしようかな。
悲しくなるし帰りたくないな…

チラッと横目で見れば
亮平に怒られている様子の3B＋さっくん、康二。
何しでかしたのあの5人…

岩本「さてAさん？
ちゃんと翔太と話してきな？
もし辛くなったりしたら電話して？
迎え行くから。これ絶対ね？」

ぽんぽんと頭を撫でられ、
ラウちゃんもぎゅっと抱きしめてくれた。
涼太に至っては、翔太がごめんね。って
そんな顔に出てたかなー。
みんなに心配かけるなんて申し訳ない…

とりあえずどっちにしろ帰らなきゃな…

チラッともう一度見れば今にも泣き出しそうな翔太と目が合う。泣きたいのはこっちだわ

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