たった1人のお姫様 (ページ4)

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目黒「ごめん、ちょっと待ってて？」

こんな遅い時間に誰だよ。と思いながらモニターを写せば携帯を耳に当てたAで

『寒いから早く開けて』

2秒ほど固まっていれば催促され慌てて解除ボタンを押す。それと同時に切られた電話

状況が把握できないまま固まっていれば、
今度は玄関のインターホンが鳴らされ
相手も確認せずにドアを開けた

目黒「Aどーし、た…っ」

何も言葉を発さないまま勢いよく抱きついてくるA。ぐっと踏ん張れば後ろでドアがバタンと音を立てて閉まっていった。

目黒「A？」

何も言葉を発さないAの存在を確かめるように長い髪をすく

『ごめんね。疲れてるところ…』

目黒「いや、それは全然大丈夫だけど
　寂しくなっちゃった？』

『ん、10分…いや5分だけこうさせて。
　そしたらすぐ帰るから』

俺の背中にまわされた腕にきゅっと力が込められた。

目黒「いやいや、こんな夜遅くに返すわけないじゃん」

『でも、明日も早いでしょ？』

目黒「俺が無理。帰したくない」

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