たった1人のお姫様 (ページ30)

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さてどうしようかな…

もうすぐ冬になるんだな。
過ごしやすいこの季節も夜になれば肌寒くなりカーディガン着てきて正解だった。

〜♪

翔太？
期待を胸に携帯を見れば、照の文字

『もしもし？』

岩本「夜遅くにごめんな？」

『ううん。大丈夫だよ。どうした？』

岩本「明日のさ…あれ？今外？」

『あー…うん。ちょっとお腹空いたから
　コンビニでも行こうかな。って思って』

岩本「………もちろん翔太も一緒だよな？」

『翔太は…一緒だよ。
　今ねお金払ってるところ。
　夜にサングラスにマスクしてて不審者』

岩本「…本当は？」

『……本当は…1人、です』

岩本「はぁ…そこ動くなよ？
寒くなってきたんだから、エントランスにいろ」

『は、え？』

ブチっと切られる電話。
嫌だなーー。翔太に連絡されちゃうのかな…
ただのかまってちゃんじゃん。
そしたらコンビニ行こうとしただけって言おう。
明日の牛乳がなかったんだ。って

そんなことを頭で考えていたらマンション前に見知った車。

岩本「行くよ」

ハザードをたいた車から出てきたのは照で
私の手を取るとグイッと引っ張り私を立たせた

『何も聞かないの？』

岩本「聞かない。
あいつが100悪いから」

『100悪いんだ(笑)』

岩本「でも言いたくなったら言ってもいいよ？
言って楽になるなら聞くし」

『ありがとう。照。私達ダメかもしれない』

ぽろっと落ちた涙とっさに窓の景色に目を向ける。
雰囲気悪くなったらごめんね？
と付け加えれば、

岩本「はぁ…だからあんだけ…
とりあえず今日はうちへおいで？」

『いや申し訳ないよ。
　どっか適当に泊まるから』

岩本「無理。心配しすぎて筋トレに集中出来ない」

『何その理由』

岩本「いいから」

照は優しいね。

携帯の待受を何回確認しただろう。
一向に変わることのない待受。
そのうち充電もなくなり真っ暗になった画面

『あっ…』

岩本「ん？あー、充電器使う？」

『んー、いいや』

岩本「いいの？」

『うん。いい』

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