たった1人のお姫様 (ページ27)

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『それは…』

田中「それは？」

『それはっ…

　私のこと女として見たことないって
　1人でいるのが可哀想だから
　一緒にいるんだって…

　あの時、そう…言ってたから…っ…』

ジェ「A…それは違うよ」

『え？は？ジェシーもいたの？』

ジェ「うんいたよー。グッモーニン」

『おは、よう』

ジェ「樹はね誰よりもAのこと女として見てたよ。

見ないようにいろんな女の子と付き合って結局A優先になるから別れて…1人になるのが可哀想だから。とか言ってたけど結局はさAに変なのが寄り付かないように遠ざけてたのは樹だし簡単に言えば思春期の男の子よ。

うん。甘酸っぱいね」

朝からテンション高いジェシーは、
台風のように帰りの支度をし、

ジェ「もうそろそろ仲直りしてよね？
不仲はグループに1組でいいのよ
じゃ、よろしく頼んだよ」

私たち2人の肩をぽんぽんと叩いて帰っていった。

『えっと…あの』

田中「全然言った覚えねーんだけど、
俺の発言がきっかけってことでいい？」

『うん…まぁ』

田中「はぁ…ごめん。
俺知らないうちにAのこと傷つけてたんだよな？」

『迷惑なんだと思った。
　嫌々私と一緒にいるんだろうなって』

田中「違っ…ジェシーも言ってたけどさ、
俺だっせーけど、Aを失うのが怖かった。

付き合える保証なんてねーし、このまま？友達としてそばにいられるならそれでいいと思って、Aを女として見ないようにしてた時期もあった。

けど無理でさ…
色んな子と付き合ってみたけどやっぱりAが良い。って思っちゃうんだよ」

田中「それにさ、Aに変なのが寄り付かないように近付かせないようにしてたのも本当。Aをそうゆー目で見ようとする奴は近付けないようにしてた…」

話し始めた樹は恥ずかしそうにしながらも、
腹を括ったかのようにあの頃のことを話してきた。

田中「俺はずっと…あの頃からずっと。
Aのことだけが好きです」

伏せていた顔は私の顔を捉え、
じっと目を見ながら伝えられた。

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