たった1人のお姫様 (ページ25)

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田中「Aっ…あのさ、…」

『……なんですか？』

田中「ごめん。なんでもない」

『じゃあ…お疲れ様です』

荷物をまとめていればいきなり話しかけられびっくりしたが特に何もない様子。

『ジェシーお待たせ。ご飯行こうか』

ジェ「今日車？」

『ううん。飲むつもりだったから、
　タクシーできたよ』

ジェ「流石！じゃあ飲むぞ！」

『おー！』

樹を除くメンバー5人とは良好な関係だ
ご飯にも買い物にも行くし、
長時間の長電話だってちょこちょこする

『だーかーらー！もういいんだって』

ジェ「いいって、昔はあんなに仲良かったのに」

『たまたまだよ。
　その時期仲良かっただけ。
　大我と北斗だってその時期あったでしょ？
　仕事上はちゃんとするからさ』

ジェ「それは、そーだけど
あー！それ俺のだよ！！
A日本酒無理でしょ？」

『無理じゃない！
　もう今日は飲む!』

5人とご飯に行くと大概樹の話を出される。
メンバー的にはあの頃に戻って欲しいんだってさ。
私だって戻れるなら戻りたい。けど無理。
あの時はたまたま聞いちゃったけど、
直接言われたら？考えたらだけでも無理。

ジェシーが飲んでたお酒を奪い飲み干す。
空っぽになったグラスを揺らしながら店員さんに
同じものをお願いする。

あー、もう。なんて言いながら
甲斐甲斐しく私の世話をしてくれるジェシー。
ちょっと飲みすぎたかな？休憩休憩。

ジェ「あー、A寝ないで！」

『寝ないよ。休憩だってば』

机に伏せたら、冷たくて気持ちよくてふわふわして…

「A…好きだよ」

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