いち ページ3
？？「ねえ、瀬川さんってメイクしないの？」
『あ、桜ちゃん！』
この子はノアくんのおかげで仲良くなれた桜ちゃんだ。
優しく明るいとってもいい子だ。
『う、うんしてないよ。あの、苗字より紗夜って呼んで…ほしい。』
恐る恐る、桜ちゃんに言ってみる。
いつも一人でいたせいで、喋りなれない。
言葉は詰まるし、声は上擦ってしまう。
sk「じゃあ紗夜！」
私のお願いに桜ちゃんは少し驚きながらも、笑ってそう呼んでくれた。
嬉しさで舞い上がっていると、その声を聞いた子たちがまわりに集まってきた。
kr「瀬川ってよくしゃべるな。」
周りの人だかりから、ノアくんがピョコっと顔を出した。
不意打ちのノアくんに、顔が熱くなるのを感じる。
『ノアくんのおかげだよ。ありがとう』
やっとお礼を言えた。
ずっと、クラスに馴染むきっかけをくれたノアくんにお礼が言いたかったんだ。
kr「え…。いや、オレはなんもしてないから。」
『そんなことない！ほんとにありがとう！』
kr「あ、あのさ、放課後に屋上きてくれない？」
もう一度お礼を言うと、ノアくんは顔を真っ赤にした。
『いいよ…』
私は恥ずかしくてそれしか言えなかった。
告白…なのかな。
でも、ノアくんが私なんかに…。
そんな訳ないよね。
心の中で自分に言い聞かせながら、ノアくんの後ろ姿を見送った。
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ノアくんが去った後、私はみんなに色々聞かれた。
「告白だよね。どうするの？！」
「OKすんの？」
「紗夜ちゃんはノアのこと好き？」
私が困っていると、桜ちゃんがウキウキしながら周りをなだめた。
sk「静かに！まずはおしゃれしなきゃ」
ノアくんのことは好き。
でも…私じゃ釣り合いっこない。
私は…私は_________。
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作者名：恋時雨 | 作成日時：2022年4月9日 17時
