【case5 続ナギサキのセイレーネス】 ページ7
「よしっ、取り敢えずはなしかけてみるかぁ?」
「そうだね」
トウマは竜宮城に一歩踏み込んだ。すると向けられたのは目、目、目。ありとあらゆる妖怪の目が探偵団に注がれる。一番高い岩礁のうえに佇む銀の鱗を煌めかせた人魚が彼等に向かい笑いかけた。
「あら、人間のお客様なんて珍しいわね。こんばんはぁ」
「初めまして、えっと私達妖怪探偵団っていって妖怪が起こした怪奇案件を解決しているんです。」
「へぇ〜面白いじゃない、私はイザナミ。今日は海系妖怪の宴なの。」
イザナミはそう言って言葉を切る。周りの妖怪達も遠巻きながら興味津々といった様子だ。
「それで最近夕方に海辺で歌う人のような妖怪がいるらしいんです。知らないですか?」
「それって何か悪いことなの?海辺で歌うことが?」
きょとんとした顔でそう尋ねるイザナミにアキノリは確かになぁ…と思う。海辺で歌ってただけなのにあたかも“悪いこと”のように扱うのは少し理不尽な気もする。
「でも怖がっている人がいるんです、だから僕は妖怪と人間が互いに笑い合えるように、この案件を解決したいと思っています。」
驚いている高貴なカロリーを尻目にイザナミは堪えきれないように吹き出した。
「貴方なかなか面白いわね、いいわよ教えても。」
「本当ですか!」
「海辺で歌うあの子は確かに人間よ…私たちのことは見えない普通のね。あの子の歌は妖怪にも人気で私もよく聞きに行っていたわ。でもその子はもう歌わない。」
「なんで、だじぇ?」
「居なくなってしまったの。他の町に引っ越したらしいわ。そうだ、お願いあの子にこれを渡して欲しいの!」
彼女は硬貨のような物を握りしめ、そう探偵団に語りかけた。
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「セイレーンは実は魚ではなく鳥を象っているんだ。年月が過ぎて姿形が歪められた…いや物語が成長したのかな。」
少年はかく語る。
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ここまで閲覧ありがとうございます。
本当は二話くらいで終わらせたかったんですけど終わらなくて…case4がやたら短いのは本当はcase5と合わせて一話だったからです。
えーっと次回から多分オリキャラとかが入って更にわちゃっとした感じになると思います。
最後に300hit超えありがとうございました。
【case6 蒼天の子 1】→←【case4 ナギサキのセイレーネス】
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美都羽(プロフ) - 小鳥遊さん» コメントありがとうございました。ガブニャンですね!多分いけると思いますありがとうございました。 (2019年8月13日 18時) (レス) id: a619d2c6e4 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - 毎話楽しく読んでます!ネタなんですが、ガブニャンで書いてもらう事って出来ますでしょうか? (2019年8月13日 18時) (レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
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