＃５５ ページ5
「いよいよこのオーディションも幕を閉じるね。」
AT「まぁ、合格者にとっては新たな人生の幕開けなんだけど。」
今日、この日はファイナリストの最終審査日。
私のデビュー前から始まったオーディションもいよいよ幕を閉じるわけで。
私の心配と言えば唯一つ。
臣がどうなるか・・・・
それと、
パフォーマーの存在。
候補者の中には、剛典の名も。
どうしよう・・・
その気持ちの裏に隠れるのは、
同じグループになれますように、という気持ち。
「臣、イケメンだね。」
AT「ごめん、臣って・・・？(笑)」
「・・・登坂くん。」
何、今の篤志さん。
ワザとらしかったし、返答が。
クスクスと笑う篤志さんの横で拗ねていると、
もう審査が始まりそう。
ちゃんとアーティストの自分に切り替えなきゃ。
.
“今市君と登坂くん”
ヒロさんがそう言って、オーディションは幕を閉じ、
二人の、ファイナリスト他数名の人生は変わる。
おめでとう、臣・・・
あぁ、何か曲作りたくなってきた・・・(笑)
とっても衝動的で気分屋な私。
走って荷物を取って、ノートとペンを取った私を
変な目で見るスタッフさん。
そして、必死に言葉を連ねる私の横を
通り過ぎる二人の新しきボーカル。
今日の所はこの位でいっか・・・
もうすること無いよね・・・
「帰ろっかな。」
ふとそう呟いて、荷物を持って歩き出す。
臣の所に顔出しておこう。
そう思い、廊下を歩く。
「あっ、臣。オーディション、おめでとう。一緒に頑張ろうね。
今市君も、おめでとう。」
臣「ありがとうっ、ございます！！！」
隆「あ、ああありがとうございます！！！」
今市君ドモりすぎだし
臣とか無理やり“ございます”付けてるし(笑)
「あ、それじゃあまたね、バイバイ。」
二人には悪いけど早く帰りたいなー。
.
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作者名：PIG BONE | 作成日時：2015年11月14日 11時
