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＃８２ ページ32
"今夜、二人で話したい。"
撮影の直前に耳元で囁く、
私の好きな声。
健「Aー、早よ行くで。」
健二郎が私の背中を叩いて通り過ぎて行った。
臣「鈴音ちゃんだっけ？
あの若干香水がキツイ子。」
私はそう思わなかったけど、
今、私の隣に来た臣はそう感じたらしい。
思い出してるのか、僅かながら眉間にシワを寄せている。
臣「あの子って、マジで岩ちゃんの元カノ？」
「……何で？」
臣「Aが来る前さ、岩ちゃんトイレ行ったの。
その時に言ってたから。」
「なるほどね……
確かに、鈴音は剛典の元カノだよ。」
臣「それじゃ、Aっていつから岩ちゃんが好き？」
「……何言ってんの？」
臣「嘘つかないで。」
綺麗な瞳で、真っ直ぐ見てくるもんだから
思わず本当のことを言ってしまう。
「ずっと……剛典と出会ってからずっと、」
NT「おーい！撮影始めるぞー！」
「「ハーイ！！」」
剛典が好きなの……
言おうとした言葉は、
直人さんによって遮られた。
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作者名：PIG BONE | 作成日時：2015年11月14日 11時
