＃７９ ＄剛典 ページ29
マネージャーに送ってもらい、
Aも呼ばれた飲み会へと、
一人で足を運ぶ。
岩「遅れましたー。」
ぺこぺこと挨拶をしながら席に着くと、
真っ先に聞かれた、Aの事。
直人「え、Aも一緒じゃないの？」
健「マネージャーがAも一緒やって言っとったで？」
岩「今日は一人になりたいみたいなんで。」
そう言えば、ブーイングが起こる室内。
行かないって決めたの、A自身だし。
そうは思っても、やっぱり非難される俺。
健「何で引き止めないんや！！」
隆「岩ちゃんのおバカぁ〜」
Ｅ「久々に一緒に飲めると思ったのに。」
各々の言い分は分かった。
でも、やっぱり俺は悪くない。
健「せや、昼どうやった？(笑)」
Aから返信来んくてな、そう言いながら携帯を見つめる健二郎さん。
その眼差しに、少しの違和感。
健二郎さん、こんな顔するっけ・・・
大切で大切で、すっごく愛おしい。
そんな表情。
何かを、もしかしたら、Aを愛する様な。
そんな眼差し。
健「で、どうやったん？」
岩「いっ、言いませんから！！！」
思い出すと、体温と鼓動が高まって、
それでもAに対して、申し訳なく感じる。
久々に重なった俺とAの唇。
何にもあの頃とは変わってなくて、
変わったのは、素直になれない俺自身。
健「何があったんねん、教えろやぁ〜。」
岩「絶対に教えません。」
どうしてもおもちゃが欲しい子供の様に、
しつこく聞いてくる健二郎さん。
出来事を話せば、
Aの可愛さを言いそうで。
皆に、知らないだろ、って自慢しそうで。
皆に知って欲しくなくて、
絶対に口を開く事は、出来なかった。
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作者名：PIG BONE | 作成日時：2015年11月14日 11時
