＃６３ ＄剛典 ページ13
立ち上がって歩き出そうとしたAの手を、
思わず掴んで引いた。
「キャッ、」
思わず小さくそう言ったAは今、俺の上。
布団を掛けていたから、Aは今布団の上に居る訳で。
布団を捲って、布団の中にAを入れた。
「・・・剛典？」
狭い布団の中で、キュッとAを抱き締めた。
俺の腕の中で戸惑うAは、
どことなく嬉しそう。
ねぇ・・・・・
その顔、期待しちゃっていいの？
「剛典・・・？どうしたの？」
岩「A・・・・・」
たまらなく好きなんだ。
どうしようもない位に・・・・
「剛典？」
そう言って、背中に腕を回したAは、
俺の背中を撫でている。
岩「・・・二人っきりになりたい。」
「二人っきりじゃん？」
岩「家で・・・二人きりになりたい。
外には、6人がいる。」
俺がそう言うと、困った様に笑ったA。
「・・・皆帰してくるね。」
岩「ん、分かった。」
布団の中からそっと出て行って、
静かにドアを閉めたA。
もう、絶対に離さないから・・・・
もう、離れたくないから・・・
あの頃の俺を、
すべて話すから。
許さなくて良いから・・・・
もう一度、俺にチャンスをくれないか？
岩「A・・・・・」
俺はいつの間にか、
眠りについていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：PIG BONE | 作成日時：2015年11月14日 11時
