<１２> side F ページ12
宮田とは早めに解散した。
にしても…
「アイツ、マジなに考えてんだよ…」
宮田がくれたもの…
それはいわゆるそういうDVDなわけで…
パッケージには下着姿の巨乳の娘が
座って開脚している写真。
彼の家に居候になると決まった時、
その類いのものは持ち込まなかった。
そして、今は…
そういう行為の時には、
自然と彼の姿が浮かんでしまう。
だから、こういうもので…女の子を見て、
いまの自分が反応するのかどうかも
正直わからない。
でも、せっかくの良い機会だ。
実際に試して、
ちゃんと反応するかを確かめてみたい。
むしろ、反応してくれなければ困るんだ。
彼女が欲しいという気にならなくても、
女の子にだってちゃんと欲情できると
わかれば次に進めるかもしれない。
彼のことを…忘れられるかもしれない。
ほんの少し、未来に光が差した気がして、
心が軽くなった。
「あっ…でも、俺の部屋、テレビない…」
仕方がない。
時間帯的には微妙だが、明日の昼間、
彼が仕事でいない間にリビングで試そう。
電車に揺られながら、そんなことを考えた。
日付が変わる前にはマンションに着いた。
今日はまだ彼からのいつもの連絡が
来ていない。
まだ起きているのだろうか。
最近では朝も会うのを避けていたため、
ここ数日まともに顔を合わせていなかった。
起きていられると気まずいと思う反面、
少し期待する気持ちがあるのも確かだった。
「ただいま。」
反応がないことに安堵しつつも、
感じる一抹の寂しさ。
どちらにせよ緊張感からは解放された。
自室のドアノブに手を掛けた時、
背後で脱衣場の扉が開く音がした。
「おかえり。」
油断していた身体に、途端に緊張が走る。
「ただいま…」
振り返って久しぶりに見る彼の顔に驚いた。
目の下にはくっきりとクマができていて、
顔色も悪く感じられたからだ。
「みっくん、大丈夫…！？」
「え…」
「酷いクマ…顔色も悪いし。寝てないの？」
「あー…最近仕事忙しくて…
でも、大丈夫。いま歯も磨いてきたし、
今日はもう寝る準備万端だから。
太輔も…今日は早かったんだな。」
「あ、うん…」
「おまえも早く寝ろよ。おやすみ。」
「うん…おやすみなさい…」
最後にふわっと笑って部屋に入っていった
彼の顔が脳裏にこびりついた。
だって…
笑っているはずなのに、
酷く、泣きそうな顔に見えたから…
．
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みっか(プロフ) - はるかなたさん» いつもこんな駄文を褒めてくださって恐縮です(。>д<)本当にありがとうございます！！あたたかいお言葉にお応えするためにも、できるかぎりのスピードアップは図っていきますo(｀^´*)これからもどうぞよろしくお願いいたします♪ (2016年5月27日 12時) (
レス) id: 8370f2c93c (このIDを非表示/違反報告)
みっか(プロフ) - はるかなたさん» 現時点でのふたりには絶望しかないはずなのに、どこか明るくなったように感じられるのはやはりお互いを想う気持ちだけは間違いないことがわかったからかもしれませんね。これからもう少しみっくんの想いを明らかにしていこうかと思っています。 (2016年5月27日 12時) (レス) id: 8370f2c93c (このIDを非表示/違反報告)
みっか(プロフ) - はるかなたさん» いつもコメントありがとうございます♪言ってくださってる表現、ものすごくわかります！自分の作品のくせに人様からのお言葉に激しく共感するところがまだまだ未熟な証ですが(^^;でもこの話のタイトルどおり、そういうほの暗さを表現したいと思っているのは確かです！→ (2016年5月27日 12時) (レス) id: 8370f2c93c (このIDを非表示/違反報告)
はるかなた(プロフ) - 意味ではありませんので！そういうのではないので！今回の更新の件ですが、すごくすごく美しい文章でした！！←偉そうにすみません！でもほんとに！今までで一番好きな回かもです。みっかさん、マイペースですよー。ぼちぼち行きましょー(*^^*) (2016年5月26日 22時) (レス) id: fb50bd66c9 (このIDを非表示/違反報告)
はるかなた(プロフ) - 視界がはっきりするかと思ってたけど、やっぱりほんのり薄暗い。けど、私には、泣きつかれたみっくんと太ちゃんを目の当たりにしても、どこか前よりも明るくなった気がするんです！もちろんそれは、私の勝手な解釈です！なので、ハッピーエンドにしてください、って (2016年5月26日 22時) (レス) id: fb50bd66c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっか | 作成日時：2015年12月26日 13時
